横浜美術大学講演
「21世紀型 アップデートのススメ」
~ポスト・コロナの解説付き
主催:学校法人トキワ松学園 横浜美術大学
日時:2020年1月7日
*この講演は、新型コロナウィルスによる感染危険が起こる前に行われたものです。各チャプターの最後に、ポストコロナをどう考えるかについて福田がコメントを追加しました。ぜひ合わせてお読みください。
場所:横浜美術大学
構成:井尾 淳子
撮影:越間 有紀子
福田 淳(ふくだ あつし)
ブランド コンサルタント。1965年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業。
ソニー・デジタルエンタテインメント創業者。横浜美術大学 客員教授、金沢工業大学院 客員教授。
ブランディング業務以外にも、女優”のん”などタレントエージェント、北京を拠点としたキャスティング業務をはじめ、国際イベントの誘致、企業向け"AIサロン'を主宰、ロサンゼルスでアートギャラリー運営、森林破壊を防ぐNPO「スピーディ・ランドトラスト」など、活動は多岐にわたっている。
自社の所属アーティストとは、日本の芸能界にはなかった「米国型エージェント契約」を導入したことでも話題を呼んだ。
1998年、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント社 バイス・プレジデントとして、衛星放送「アニマックス」「AXN」 などの立ち上げに関わる。
NPO法人「タイガーマスク基金」の発起人をはじめ、 文化庁、経済産 業省、総務省などの委員を歴任。2017年、カルティエ提供「チェンジメーカー・ オブ・ザ・イヤー2016」(日経BP)受賞。2012-14年、ワーナー・ブラザース「BEST MARKETER OF THE YEAR」3年連続受賞。自社の出版部門Speedy Booksより、『パラダイムシフトできてる? ポストコロナ時代へ』をAmazonより上梓。著書に『SNSで儲けようと思ってないですよね~世の中を動かすSNSのバズり方』(小学館)『これでいいのだ14歳。』(講談社)がある。
日経ウェブ「21世紀をよむITキーパーソン51人の1人」選出 (2001年)
NPOアシャンテママ 代表理事、NPO法人ファザリング・ジャパン 監事
http://spdy.jp
「プランド・ハップン」という考え方
こんにちは、福田です。今日は横浜美術大学の1年生と2年生、学生の皆様にお集まりいただいているということで、とても楽しみにしてきました。どうぞよろしくお願いいたします。
光栄なことに、客員教授をさせていただいています。でも僕、じつはかなりの飽き性でして。一つのことをずっとやる力がないし、すぐに飽きちゃうんですよ。だから客員教授という柄でもないんですが…。そんな僕のようなちゃらんぽらんなタイプの人にもハマる、アメリカのビジネス理論があるんです。
それは、「プランドハップン理論」(Planned happen stance)というものです。1999年、スタンフォード大学の教育学・心理学のクランボルツ教授という人が発表して話題になりました。直訳すると、「突然起こる計画」とか「計画された偶発性」という意味ですね。翻訳本が『その幸運は偶然ではないんです!』というタイトルでダイヤモンド社から出ていますから、興味のある人はぜひ読んでみてください。
これは「ちゃらんぽらんでいい」という、非常にありがたい理論なんです。でも僕が大学生の頃は、「学校に行かず、家に引きこもってインターネットでプログラミングをしていたら、ある日突然大金持ちになった」なんていう導線はなかったんですね。親が認める優秀な学校に入り、三井物産とかみずほ銀行とか、そういう一流企業に就職すると「人生はOKだよ」っていう、一つのパターンしか出世の道筋はありませんでした。僕は日大芸術学部卒業なんですけども、そういう芸術系、美術系の大学は、そもそもエリート街道からは離れてしまうイメージでした。皆さんも美大生なので、ごめんなさい。でも、僕の時はそうだったんですよ(笑)。
(コロナを経験して)
コロナというウィルスは、これまでの世界を一変させました。価値観がリセットされたのが、ポストコロナ時代です。つまり、コロナ以前にどんな差があったとしても、誰もがゼロスタートを切ることができるんです。 長期的なキャリアパスを考えることが無意味となった今こそ、新しい常識(ニューノーマル)や生き方を思いっきり探求してみるチャンスですよ。