AI姉さんに学ぶ! 中国デジタル事情(前編)
構成:井尾 淳子
撮影:越間 有紀子
日程:2020年7月2日
國本知里(写真左)
Kyun株式会社Co-Founder兼グローバルAIビジネストレンドマーケター。早稲田大学大学院修了後、大手外資SAPにてSaaS営業、AIスタートアップのBizDevを経て、独立。SNSで中国AIをはじめとした、世界のAIビジネス活用事例を発信。 また、審査性オンライン合コン・チェルコンをコロナ期間初期に開催して1ヶ月で100名集客・マッチングアプリを活用した婚活コンサル等、オンライン婚活においても個人事業を手掛ける。Twitterでは、「チェルシー / AI姉さん」のアカウント名で、グローバルのAIビジネストレンドを発信。
https://profiee.com/i/knmt_ai
https://twitter.com/chelsea_ainee
福田 淳(写真右)
ブランド コンサルタント。1965年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業。 ソニー・デジタルエンタテインメント創業者。横浜美術大学 客員教授、金沢工業大学大学院 客員教授。ブランディング業務以外にも、女優”のん”などタレントエージェント、北京を拠点としたキャスティング業務をはじめ、国際イベントの誘致、企業向け"AIサロン'を主宰、ロサンゼルスでアートギャラリー運営、森林破壊を防ぐNPO「スピーディ・ランドトラスト」など、活動は多岐にわたっている。自社の所属アーティストとは、日本の芸能界にはなかった「米国型エージェント契約」を導入したことでも話題を呼んだ。
1998年、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント社 バイス・プレジデントとして、衛星放送「アニマックス」「AXN」 などの立ち上げに関わる。 NPO法人「タイガーマスク基金」の発起人をはじめ、 文化庁、経済産 業省、総務省などの委員を歴任。2017年、カルティエ提供「チェンジメーカー・ オブ・ザ・イヤー2016」(日経BP)受賞。2012-14年、ワーナー・ブラザース「BEST MARKETER OF THE YEAR」3年連続受賞。自社の出版部門Speedy Booksより、『パラダイムシフトできてる? ポストコロナ時代へ』をAmazonより上梓。著書に『SNSで儲けようと思ってないですよね~世の中を動かすSNSのバズり方』(小学館)『これでいいのだ14歳。』(講談社)がある。
日経ウェブ「21世紀をよむITキーパーソン51人の1人」選出 (2001年)
NPOアシャンテママ 代表理事、NPO法人ファザリング・ジャパン 監事
http://spdy.jp
日本のビジネスマンは、なぜリモート力が弱いのか
福田:本日は、お時間をいただきありがとうございます。まず、國本さんのTwitterについて推薦させてください。本当に面白くて、ビジネスマンにとって役立つ情報をいち早くキャッチできます。
読者のために解説しますと、國本さんは(チェルシー / AI姉さん)@chelsea_aineeのアカウント名で、世界の最新AI活用事例・トレンドを発信されておられます。「文系&非エンジニア向けに分かりやすくお届けするアカウントです」という自己紹介文がまた大切なところで、面白いですよね。
國本:ありがとうございます。
福田:以前、弊社スピーディでは「AIサロン」という勉強会を主催していて、國本さんにはいつも、とくに中国に特化したAI最新事情の解説をお願いしていました。コロナ禍の今、よく言われるようになった「リモートトラスト」というビジネス用語について、いち早く事例をお話してくださったのが國本さんだったなぁと思います。
國本:そうでしたか。どの件でしょう?
福田:リモートワークの基本といいますか。たとえばカフェで女性がPCのキーボードを叩いているのは、事務作業に見えて、じつは未開の地でクレーンを動かしているかもしれないというお話でした。そういう発想というのは、どこから来るものなのでしょう。
國本:私は元々、リモートワークが主だったことがありますね。というのは、勤めていたスタートアップは日本の従業員が全体25%ぐらいで、あとの従業員は海外在住でした。
福田:ベトナムでしたっけ?
國本:はい。ベトナムと台湾です。会議を行う際も、それこそZOOMのオンラインに200人くらい集まって行っていました。
福田:コロナ以前からZOOMだったんですね。
國本:はい。もう2年以上ZOOMを利用したミーティングを行っています。
福田:そんな前からあったんですねぇ。考えてみれば、Netflixも13年前、コロナ以前からすでにあったのと同じですね。
國本:たしかに。だから自分のことで言えば、コロナによる変化は少ない方かもしれません。今までやっていた、当たり前のことが各所で広がるようになった感じですね。
福田:いきなり本質的な質問ですが、日本の企業では、リモート力のない人がいまだ少なくないのはなぜだと思われますか? コンサルで関わって驚いたのが、総務部の人がリモートのhow toを教えても、どうしても理解できない人がいるということ。テクニカルサポートもことごとくダメで、そもそも自宅にWi-Fiがないというらしいんですよ。オフィスに行かないとデータも受け取れない、みたいな。
國本:「インターネット弱者」という言葉は以前からありますけども、それがある意味、コロナ禍で浮き彫りになった感はありますね。
福田:ええ。ガラケーしか持っていないから、給付金を受け取れないとか。