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“PoC死”に陥っていないか?

AI姉さんに学ぶ! 中国デジタル事情  Talked.jp

福田:そういう、ネット弱者の人を雇っている企業に対して、國本さんはまずどこからDX(デジタル・トランスフォーメーション)のアドバイスをされているのでしょう?

國本:DXというところでいうと、「流行っているからやってみよう」ではなくて、企業としてDXを通してどうありたいのか、という視点ですよね。つまり、DXを行う目的やゴールが最も重要です。AIもこの2~3年でピークになって広がりましたが、 「PoC死」という言葉が生まれてきているように、活用まで至っていない企業が非常に多いことが課題です。

福田:「PoC」の「死」ですか。

國本:はい。まず、PoCはProof of Conceptの略で、少しずつ検証してみましょうということなんですが、ほとんどが「PoC死」(無意味な概念検証を実施し、コストをムダにする行為)だったという。Proof of Conceptで、検討や活用が死んでしまうという意味です。

福田:ものすごく高度な業界用語を覚えました(笑)。

國本:実験だけやって、終わってしまうということが2年前くらい、多発したんですね。「やっぱAI使えないじゃん」とか、「まだまだ早いね」とか。なぜそうなってしまったのかというと、どこをどう改善したいのか、企業としてどうありたいかという姿を描かずに、「とりあえずAIやってみよう」という、ただ流行りに乗っただけだったんです。

福田:なるほど。「これやろうね」で「AIで実験」という順番ではなく、ね。それは昔からありましたよね。何も目的がないのに、「マルチメディアだ、ブロードバンドだ」と騒いでいた、みたいな。

國本:そして、AIに対して期待値が高すぎるということもありました。「精度が100%で、なんでもできちゃうんじゃないか」と思っていると、実際にAIを稼働させた時に期待通りにならず「やっぱりやめておこう」となるケースが非常に多くあります。ただAIの場合、そういうふうに期待が下がっていく一方で、逆に実際に活用してデータを溜め、さらに再学習すると、ある程度のところで精度は上がるという、クロスの差があるんですよ。

福田:面白い。期待は下がる。だけどやると精度は上がる。

國本:はい。やっぱり、時間をかけないと精度は上がっていかないところがあります。

福田:時間だ。

國本:ええ。クライアントが期待する中、最初は精度が低くて「扱えないじゃん」となった時、ここでやめるのか、あるいは期待を捨てず、精度が上がるのを待てるのか。そこのいいバランスをとれるかどうか、AIのジレンマみたいなところはあります。

福田:AIに、どこまで「人間らしさ」を取り込めるのか、それで精度が上がる部分もありますよね。

國本:そこもおっしゃるとおりですね。AIのアウトプットは100%ではないので、80~90%と精度を上げていく中で、人間のどういう部分までサポートできるのか、人間が1からやるよりは、作業を80%を代替できるようなのであれば進めていきましょうとなりますね。

福田:なるほど。

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