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中国の個人情報事情~①

AI姉さんに学ぶ! 中国デジタル事情  Talked.jp

福田:そして今急に「DX、DX」と騒いでいますけれども、これもまた標語に乗っているだけでは、「コストの無駄じゃないの?」っていうような企業は続々出てくるでしょうね。國本さんは、そういう部分でのコンサルをやっておられるのですか?

國本:そうですね。クライアントがどういう業務課題をお持ちで、そこにどうAIを活用すれば改善ができるのか、どういう付加価値が生まれるのか、というDX・AIコンサルをさせていただいています。

福田:先程の、漠然とした期待ばっかりで、何をやりたいかは明確ではないけど、「AIでできるじゃん」っていう、命題が出せないクライアントにヒアリングされる感じですか。

國本:そうですね。

福田:つまりニーズを掘り起こしていくんですね。あるいは、「もう人件費かけなくてもいいように、AIに取って代わるようにしてほしい」というような相談も?

國本:どちらもありますね。要はクライアントベースで、「これがやりたい」と思っていることはあるので、それに対して、たとえば一人でやっておられる業務で、大規模な予算をかけて開発する必要はあるのか、ROI(投資利益率)を試算しながら進めています。クライアントが期待する中で、一番効果が高いものは何かを整理してあげながら、技術的にも可能なものから進めていきましょうという、クライアントベース、ということはあります。ただクライアントも、正直課題がよく分からない、何ができるのか分からないところがあるので、事例ベースのご提案を合わせて導くということもやっています。

福田:面白い。先日NHKで、「もう調査報道は古い」ということで、BBCのハッカーばかりを集めた部署の特集を見たんです。ウクライナ機追撃の時だとか、テロだとか、世界中に置いてある街のカメラでデータを取って、ミサイルが三日前に通り過ぎるところを見つけるんです。その時に、映っている看板から、「これはウクライナ市内のなんとかストリートのパン屋だ」と特定するんですけど。これってどう考えても、自国による自作自演だよね、ということを割り出す。もっとすごいのは、テロリストが無実の市民を殺していると言う映像だけ流れて事実が分からなかった時、AIが影の角度から解析して、この影が出来るこの地域は、5月14日の何時だとかって。日本でも、そういうふうにAIを使った画像解析による報道みたいなのがあるんでしょうか。

國本:そうですね。ディープラーニングにより一番伸びている分野は、画像解析や画像領域です。中国で広く活用されている顔認証技術ですが、それも画像解析の一つです。今AIブームは「第3次」と言われていて、画像解析の精度が非常に上がってきています。顔認証や画像で、自動運転でも番号をすぐにキャッチして、違反者を特定できるのと一緒で、人間の目のような部分が作られてきたのはありますね。

福田:SSiでしたっけ。自己主権型アイデンティティ(個人が情報を管理し、サービス提供者側に対して必要な情報のみを提供する)というデジタルアイデンティティのように、あえて自分から自分の利益を出すことによって、何かベネフィットを得ることと組み合わさるといいですよね。

國本:そこの難しさがありますよね。中国はそれが一番うまくいっています。

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