音楽シーンにイノベーションを起こそう!~AI作曲SOUNDRAWの可能性

音楽シーンにイノベーションを起こそう!~AI作曲SOUNDRAWの可能性(後編)

構成:井尾 淳子
撮影:越間 有紀子
日程:2020年6月25日

楠 太吾(写真/右)

大阪府出身。立命館大学大学院理工学研究科卒業後、大手メーカーに就職。のちに、Dmet Holdings株式会社(株式会社阪神メタリックス)に転職。IoT系スタートアップ部門を立ち上げ、Dmet Products株式会社として分社化。開発を手がけたウェアラブル楽器ガジェット「SoundMoovz」は、世界17ヵ国で販売、累計40万台を出荷する。その後、AI作曲クラウドサービス「SOUNDRAW」を開発し、SOUNDRAW(株)を設立。2020年に資金調達を実施し、世界中のコンテンツクリエイターに向けて、開発・普及に取り組む。

福田 淳(写真/左)

1965年大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業。 ソニー・デジタルエンタテインメント創業者。横浜美術大学 客員教授、金沢工業大学大学院 客員教授。ブランディング業務以外にも、女優”のん”などのタレントエージェント、北京を拠点としたキャスティング業務をはじめ、国際イベントの誘致、企業向け「AIサロン」を主宰、ロサンゼルスでのアートギャラリー運営、沖縄でのリゾート開発、ハイテク農業など、活動は多岐にわたっている。タレントと日本の芸能界にはなかった「米国型エージェント契約」を導入したことでも話題を呼んだ。
モザンビーク支援のNPO法人「アシャンテママ 」共同代表理事、NPO「タイガーマスク基金」の発起人をはじめ、 文化庁、経済産業省、総務省、内閣府などの委員を歴任。
近著に『パラダイムシフトできてる? ポストコロナ時代へ』(スピーディBOOKS)『SNSで儲けようと思ってないですよね~世の中を動かすSNSのバズり方』(小学館) 公式ウェブサイト http://AtsushiFukuda.com

中国進出の可能性

福田:中国進出は、どうします?

楠:中国は、ちょっと悩み中です。

福田:弊社でやりましょう。というのは、僕は中国に会社(星光速度国~文化 有限公司)があるから、アカウントがあるんですよ。
(*公式サイトの中国語版 http://spdy.jp/zh/

楠:それは最高ですね! 僕は中国の攻め方が全く分からなくて。中国は市場がめちゃくちゃでかいです。

福田:オフィスも、マカオの近くの新経済特区「珠海市」にあります。中国はバーチャルオフィスでは駄目なので、リアルオフィスを作りました。中国国内からしか見られないドメイン「.cn」は中国に会社がないと取れないんですよ。サーバーも借りられない。日本からは何もできないわけです。みんな「うちは中国語サイトをやっています」って言うけど、それは香港と台湾の人しか見てない。すべて中国以外からの情報はVPNで遮断されています。中国って、火星と同じと思った方がいいんですよ。でも弊社は中国関係のスタッフがいて、みんな中国語もしゃべれますから。SOUNDRAWの中国版みたいなものをやっていくといいかもしれないですね。

楠:そうですね。仕上がったのちに。基本的には著作権などの整理を中国できちっとやって。でも正直中国というと……。

福田:そう。どのみち、すぐに真似をしてくるから。中国だけはテンセントかアリババが少しでもお金を入れていないと、ぶっつぶしにかかってくるから。激しさが半端ないので。でも逆に考えたら、大手と組めばグロースできるんですよ。

楠:音楽なので、中国語を訳すのもすぐできますので。しかもネットで全部売れるし。サービスベースで、トラクションが上がってきたらそういう交渉をしだすとか。ああ、めちゃくちゃいいですね! 

福田:素晴らしい。いいなあ。

楠:音楽はグローバル展開をしやすいんですよ。

福田:いいと思う。で、話を戻すと、アメリカ、英語圏のほうが大きいと思うのですけど、英語圏の攻め方みたいなのは、これはこれでノウハウがありますからねぇ。

楠:そうですね。基本的には有名なクリエイターの方に、エバンジェリスト(技術的話題を社内外に解りやすく説明する人)的な立ち位置になっていただいて、信用を得ながら使い方を伝えていくみたいなイメージですかね。結構ダイレクトに、ユーチューバーのコンタクトはこちら、みたいなアドレスを持っていたりするので、それを英語でバーッと打ってアタックしまくるとか。

福田:今、UIは全部日本語なのでしたっけ? 切り替えられますか?

楠:英語はあります。なので、日英は大丈夫ですね。ヨーロッパも全部英語で大丈夫だと思います。

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