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オンライン&オフライン合せ技!

「食べチョク」創業者に聞く、一次産業×ITが解決する社会課題とは?

福田:だからやっぱり、ITをわかっている人が一次産業の事業をやっている、というのは大きいですよね。

秋元:そこはDeNAで勉強させていただいて、すごくよかったなと思っています。

福田:ITをわかっている人が、現実的なオフラインの仕事は不向きということって非常に多いじゃないですか。一方で一次産業とか、オフラインをやっている人はまるでITに苦手意識が強かったりする。だから両方できるというのは、秋元さんの強みですよね。

秋元:そうおっしゃっていただけると嬉しいです。事業特性もあるので、知見がある投資家の方のお話もそのまま鵜呑みにしないことが大切だと思っています。言葉の背景を汲み取って要素を吸収することを意識していました。例えばITに詳しい人に聞くと、それこそ「コンバージョンをもっと上に置け」みたいな話をされるじゃないですか。でも、「一次産業の事業の場合はこうだから」と説明できたり、オンラインとオフラインをうまく行ったり来たりできたのが本当によかったかなと、振り返ると思うんですけど。それはDeNAでの経験があったからかなと思います。

福田:そういうふうに柔軟に事業態度を変えていけることが素晴らしいですね。

秋元:ありがとうございます。成功事例がなかったので、類似サイトの事例は参考にはしますが鵜呑みにせずに、例えば『北欧、暮らしの道具店』(*2)など、領域は全然違うけれども、コンセプトが近くてファンビジネスを実践しているWeb サイトの成功事例をどんどん引っ張ってきて、くっつけて、みたいな感じでした。

福田:他業界のサービスを参考にすることは大事ですよね。僕も『食べチョク』の「ご近所出品」(*3)は参考になりました。あれは「ITが苦手な生産者さん」×「ITが得意な若手生産者さん」の合わせ技で、すごいいいアイデアをたくさん生み出しておられますよね。94歳の生産者と若手生産者が協力して出品できたりして。

秋元:ありがとうございます。

(*2)北欧のライフスタイルをコンセプトにしたネットショップ。

(*3)近隣に居住する複数の生産者が生産した商品をセットで出品できるサービス。これまでは同梱して送ることのできなかった魚(漁師)と野菜(農家)なども組み合わせて購入することが可能に。インターネットを利用していない高齢生産者の出品支援や単品生産者の価値向上などを目的している。

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