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キラキラもギラギラもダメダメも。
フラットに情報を伝えたい

日本人サラリーマンがアラブの王様と付き合う交渉術

福田:これだけ多くのご経験をされて、「日本人サラリーマンってすごい」というテーマを持っておられると。で、そういう鷹鳥屋さんの幼少期は、歴史が大好きだった。大分でお育ちになって、大学は筑波ですもんね。高校までは大分ですか?

鷹鳥屋:はい。ラグビーが強い大分舞鶴というところで過ごさせていただいて。ラグビー部と取っ組み合いして、鎖骨を折ったりしていました。やはりラガーマンに勝てる気がしない(笑)

福田:ははは(笑)。それで、筑波大学には何を求めていらっしゃったんですか?

鷹鳥屋:それこそ歴史学の勉強をするためにですね。当時中国史で明清時代を研究しているのが、国立で名古屋大学と筑波大学しかなかったんですね。地元の九州大学は古代、確かセネカの専門の先生がいましたが、できれば近現代をやりたいと思って。

福田:すごい。その意欲が。

鷹鳥屋:高校のときからなので、珍しいかもしれませんね。

福田:その頃から非凡だったんですね。

鷹鳥屋:当時は、歴史の先生とか教授になるのが夢だったんです。歴史の勉強をしたいと、ずっと思っていて。銀河英雄伝のヤン・ウェンリーみたいな感じです。

福田:なるほど。そういえば、「世界は800年周期説」を以前本で読んだのですけど、ちょうど去年ぐらいから800年間は”東洋の時代”だっていうことです。今の世界情勢を見ると、日本企業も含めて世界の企業は「中国かアメリカかどちらで商売をするのか」という選択を迫られていると思うんですよ。それでみんなは中国やロシアのことばかり悪く言ったりしていますけどね。いかに自分たちの持っている情報のリソースが信憑性あるのか、あるいはないものなのか。そもそも、それが分かっていないということに、どうして気がつかないのかなと思います。アメリカとメキシコの国境問題も、ウイグル地区の問題も、本当のことは何かということを考えるべきなんです。そして、今自分がいるサイドは安全だよという思い込みを持たないほうがいい。

鷹鳥屋:あとは情報の偏りですね。この時代、偏った情報であればあるほど先鋭化しちゃうのか、広がるバイアスがかかるので。そして、なるべくそういう情報ばかりを流布して混乱を期待している発信者の意図も時に感じますね。

福田:ありますよね。だから鷹鳥屋さんのご著書のように、面白いタイトルから「アラブってどういう国なんだろう?」と、フラットに入っていける人が多いのではないかなと思います。

鷹鳥屋:そうですね。入門書じゃないですけど、「アラブ人ってどんなじゃろうか」とか、「石油王と結婚したいと言う港区女子の夢をぶち壊すため」的な帯にしたんですけど(笑) 雑誌の某「東京カレンダー」様に紹介してほしいとお願いしたら、「いや、うちはその夢を売ってる会社なんで需要ないです(笑)」と言われて断られてしまったといいう。「あぁ、さすが某 東京カレンダーさんだ」と感心しました。

福田:(笑)某「東京カレンダー」様的に言うと、もうちょっとアラブの美味しい料理屋さんとか……。

鷹鳥屋:正直、皆さんが思い描くキラキラもあるけど、ギラギラもあれば時にはダメダメもあるってところを、結構フェアに書いてはいるんですけれどね。

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