リケジョ・武道家・女優リーナ・リー

リケジョ・武道家・女優リーナ・リー
(前編)

編集・構成:井尾淳子
撮影:越間 有紀子
日程:2021年8月30日

李 梨衣名 / Leena Lee(写真/左)

女優。1990年3月14日中国山東省泰安市に生まれる。工学系の大学教授だった父親と小学校教師だった母親のもと、9歳まで中国で育ち、父親の日本企業への就職に伴い来日。茨城大学工学部知能システム工学科卒。18歳の時にモデルオーディションでグランプリを受賞。2009年雑誌「CanCam」専属モデルとしてデビュー。モデル、CM、テレビ、ファッションショーを主に活動。2016年ドラマ「真夜中の百貨店」で俳優デビュー。2018年舞台「Quick Draw」で初ヒロインを務める。2021年トヨタ・レクサスISのCMに出演。
身長:172cm 言語:日本語/中国語/英語
趣味:中国武術
https://leena.jp

福田 淳(写真/右)

スピーディ・グループ C E O
金沢工業大学大学院 客員教授 / 横浜美術大学 客員教授 ソニー・デジタルエンタテインメント社 創業社長 1965年 日本生まれ / 日本大学芸術学部卒
コンサル業務以外にも、女優”のん”などタレントエージェント、ロサンゼルスを拠点としたアートギャラリー運営、不動産事業をはじめ、中国の新経済特区マカオをベースとした日中エンタメ開発、エストニア発のブロックチェーンを活用したNFTビジネス、企業向け“AIサロン‘を主宰、沖縄でのリゾート開発・ハイテク農業、日本最大のeコミック制作、出版業など活動は多岐にわたる。
カルティエ「チェンジメーカー・オブ・ザ・イヤー」、ワーナー・ブラザース「BEST MARKETER OF THE YEAR」など受賞。著書、講演多数。
公式サイト:
http://AtsushiFukuda.com

日本の芸能界はDXが遅い

福田:今日はお越しいただきましてありがとうございます。お招きするのは、2019年5月から、弊社スピーディでエージェント契約をさせていただいている女優の梨衣名(りいな)(リーナ・リー)さんです。よろしくお願いします。

リーナ:こちらこそよろしくお願いいたします。リーナ・リーです。

福田:梨衣名さんは中国籍ですが、英語名ではLeena Lee(リーナ・リー)ですね。

リーナ:はい。名前は「リーナ」なのですが、中国語読みにすると「リイミン」になってしまうんですよ。それで海外に行くと、「日本人? 中国人?」となるので……。本名がリ・チェンイなので、名字の「リー」を「リーナ」の後に付けました。ちょっと「ブルース・リー」みたいな感じもあって、いいかなと。

福田:うん、カッコいいですよね。この「talked」シリーズは2008年から続くオウンドメディアなのですが、なんと今回、初の映像同時収録を試みました。

リーナ:そうなんですか。それは光栄です!

福田:読者の方は、ぜひ映像と合わせて、リアルな対談の空気をお楽しみください。 さて、少し芸能の話をさせてください。もともと僕はエンタメ業界が長いのですけれど、日本の芸能界についてはそう詳しくなかったんですよね。「芸能界=エンタメ業界じゃないの?」と言う人がいますが、知ると全然違いますね。インターネットの時代、配信の時代になって、地上波を視聴する人は年々減っているじゃないですか。そしてついに、インターネット動画がテレビ視聴を上回ったというデータも出ました。マーケットや広告などは、とっくにネットのトラフィックのほうが上回っていましたが、動画のトラフィックがテレビ視聴を上回ったのは初めてのことです。これらのことが、日本の芸能界がいかにDX(デジタルトランス・フォーメーション)に遅れているか、その証左になっていると思う。

リーナ:それは、日本の特徴でもありそうですね。

福田:先日、とある民放のキー局から深夜番組の企画のご相談があったのですが、「深夜枠ですが、視聴者20万人です!」とおっしゃるのだけど……オンライン『NewsPicks』は、1回の番組で200万人視聴です。

リーナ:10倍。たしかに、ネットのほうが広がっていますね。需要も含めて。

福田:厳しい言い方かもしれませんが、例えば日本のタレントさんで、踊れるとか、歌えるという人がブロードウェイに行ってオーディションを受けたとしても、最終面接まで進むことができる人はほとんどいないと思います。演技についても韓国の役者のように英語をネイティブレベルまで勉強している人は少ないし、もう全然、この1億2000万のフィールドから脱出できていない。でもリーナの場合は中国語も英語もできるから、地球75億人のうち40億人にアクセスができるということ。そこは全然、土台が違う。 今回の対談では、自己紹介がてら、いろいろとお話してもらうわけですが、工学部出身のリケジョだから自分でプログラミングもできちゃうし、武道家でもあるからすごいハイキックもできちゃうし、もちろん演技もできるし。リーナのこの万能感がハンパなくて、「芸がありすぎる」ということが、旧来の日本の芸能に、勝手に合わなかったんじゃないのかなと思って、素晴らしい出会いに感謝しているわけです。

リーナ:ありがとうございます。

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