logo

エンタメの未来2031

伝説のプロモーターが読み解く「エンタメの未来2031」(後編)   Talked.jp

福田:いよいよ時間もなくなってきました。最後になりますが、今回のご著書の中で、音楽業界がサブスクになってきた、と。そして圧倒的に欧米の人はサブスク中心の収入になっている。著名ミュージシャンだったりすると、自分のサブスクを立ち上げたりしています。一方では映画もNFTによる資金集め、DAOというファントークンが出たりもしている、と。そういったアフターコロナの最新のエンタメの在り方について、かなり詳しく書かれています。これから世界の潮流はどうなっていくのでしょうか。映画、音楽、ショーを含めたエンターテインメント全般ですけれども。

北谷:まず音楽でいうと、パッケージメディアの時代は終わりを告げて、ほとんどがサブスクになっていきます。サブスクは1曲かかる度、わずかな額ですけどロイヤリティが支払われて、それが最終的には音楽出版会社だとかアーティストのところへ戻っていくわけですよね。一方、今までのビジネスモデルを振り返ると、アルバムというのはその中で本当に売れる曲は1曲か2曲で、他は全部抱き合わせ販売なんですね。

福田:パッケージですよね。

北谷:まさにパッケージです。でも、サブスクになると、聞かれていない曲は全く聞かれない一方で、ヒットソングはものすごい回数で世界中一挙に、何回もリピートして聞かれます。最初は音楽業界も、サブスクに全部の利権を取られてしまうという被害者意識がすごく強かった。でも最近は、例えば去年のユニバーサルミュージックでいうと、グローバルの売り上げ中50%はサブスクからのロイヤリティでした。それでレコードレーベルも音楽出版会社も考え方が変わってきて、「サブスクでいいんだ」と割り切り始めてます。ただ、ここでも日本だけがいまだにやはりコレクターズマインド、そしてAKBビジネスがあるので、まだパッケージが売れていますけども。

福田:そうですよね。かなりまだ、売れていますよね。

北谷:世界の流れはもうそうじゃないですよね。でもAKBのコレクタブルと言われているものも、これからはNFTなどに変換していける。そうすると、リアルなものはますます必要なくなる。

福田:マーチャンダイジングとしては新たな価値を。

北谷:そうです。だから希少性とか、それを溜めることによって特定のマーチャンダイジングが買える(例:チケットが買える)というふうにしてあげればいいわけですから、そこはしくみの話なので。最終的にはやはり日本も、あと10年もすればパッケージメディアはほとんどなくなると思います。いつも言う話なんですが、HMVストアは本拠地のイギリスではもう姿を消しています。にも関わらず、日本だけまだやっている。

福田:タワレコも日本にはありますよね。

北谷:そう。タワレコも本社が倒産して、もうアメリカにはありません。でも日本だけタワレコが残っている。すごいことですよね。日本はそれだけ、特殊なマーケットなんです。でも世界の流れにはおのずと従わざるを得ないので、これからはやはりパッケージメディアは卒業で、どんどんデジタル化していくということはほぼ間違いないですね。

福田:コロナ禍当初、みんな生き伸びるために必死で、当初は「エンタメなんていらないんじゃないか」という向きもありました。けれどステイホームに紐づいて、Netflixをはじめ映像コンテンツの需要は爆発的に増えました。音楽は、ライブは激減したものの、ウイルスを超えて人に届くので、Spotifyのようなサブスクが伸びました。人を楽しませるエンタメビジネスの新しい可能性は、最高潮に達していますよね。

北谷:はい。本当にそうですね。

福田:2022年以降どうすべきか、ということも、このご著書の中に明確に書かれています。この本を読んでいないと、エンタメ業界人として失格とさえ思います。それくらい、本当に面白い本なんですよ。ぜひ北谷賢司先生の『エンタメの未来2031』をご覧ください。

北谷:ありがとうございます。

福田:こちらこそ、貴重なお話をありがとうございました。

(了)

(前編へ)

TOPへ