“Content is King!”で生きてきた コンテンツ研究会講演@青山学院大学【後編】

“Content is King!”で生きてきた
【後編】

日時:2015年10月21日(水)
場所:コンテンツ研究会講演@青山学院大学

福田 淳氏

ソニー・デジタル エンタテインメント 社長
1965年生まれ。日本大学芸術学部卒。アニメ専門チャンネル「アニマックス」など多数のニューメディア立ち上げに関わる。(株)ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント バイス・プレジデントを経て現職。

構成: 井尾淳子 撮影:越間有紀子

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徹頭徹尾、「コンテンツ」であれ【前編】

課金システムからの脱却につながった
「LINE」コンテンツ事業

メデイアの変化としては、「ガラケーが進化してスマホに」という考え方が一般的ですが、じつはそうではなく、「パソコンを外へ出したらスマホだった」と考えるのが正解ではないでしょうか。ちょうど2年前に日本でもPC人口はスマホ人口に逆転されました。Facebook創始者のマーク・ザッカーバークが「世界人口70億人のうち、インターネット人口はたった20億人しかいない」という調査結果を受けて、「空中にWi-Fi飛ばして、アフリカ中でインターネットやるぞ」と、5000億円をかけたプロジェクトを手がけていますが、最終的な実現までには3兆円ぐらいかかるらしいです。とはいえ、残り50億人がみんなアフリカに住んでいるかといったら、そんなことはありえない。ネット人口はたかだか20億人ですけれども、中でも大きな変化として挙げられるのは、スマホ端末がPCの世界を呼び込んだということです。それによって、駅のホームで小学生が、歩きスマホしていたら線路に落ちてしまうような事態が起きた。つまりそれは、スマホの中の世界がPCの中の世界と同じようになって、かつて表現力が乏しかったガラケー、フューチャーフォンを抜いたことを意味します。
ガラケーがスマホに取って代わったときに、じつは「また待ち受けから始めるのか」とも思いました。初期のAndroidを見ると、ろくなコンテンツもないし、有料マーケットも全然ない。「個別課金で1個1個100円ダウンロードさせるとなると、どうすればいいんだ」となったときに、僕はキャラクター部門をシャットダウンしようと思ったんです。携帯コンテンツに関しては、待ち受けからずっとやってきましたから、たくさんのプロパティの権利を持っていたもののマネタイズのイメージが浮かばない。そこへLINEが始まり、そのライバルサービスが乱立したりして、当社のコンテンツは瞬く間に大人気となったわけです。しかも、国内キャリアプラットフォームの鎖国が解かれたので、当社のコンテンツは、タイやインドネシア、韓国や中国からたくさんの引き合いが来ました。
海外へのコンテンツライセンスでは、台湾、シンガポール、タイ、インドネシア、フィリピン、マレーシアなどで展開しております。また、スマホのアメーバ、DeNAのサービスにも、キャラクターアバターサービスを提供しています。そういう時代の流れ、メデイアの転換期のようなものを感じて、いち早くビジネスモデルを変更し、対応できたことが、当社が生き延びている理由なのかなと感じています。
Facebook、Twitter、YouTubeなど、いろいろなソーシャルマーケティングがありますが、日本においてはLINEを活用しました。この1年半で、企業のソーシャルフレンズを、6千万人以上当社が獲得しました。有料コンテンツでも、1100万人の加入者を誇っており、ソーシャルメディアの集客力では世界トップクラスとなりました。また、アプリ開発におきましても世界でアジア、中東、ヨーロッパなど45ヵ国でトップテン入りをしています。