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仮想通貨の発想で、「視聴率主義」から「おもしろ原理主義」へ!

テレビはオトナのたしなみ!という提案。 Talked.jp

福田:最近の角田さんの新しい企画はなんですか。

角田:「ピュア」っていう、仮想通貨を作ろうと思っています。「あなたのピュアな気持ちを、お金に換えます」っていう。

福田:なるほど。その発想の背景にあるものとは?

角田:テレビの世界は、ご存知のように視聴率が第一じゃないですか。視聴率を取ると勝ちで、悪いと負けみたいな。だから視聴率が横軸だとしたら、僕は縦軸を作りたいと思ったんです。

福田:その縦軸ってどういうものでしょうか。

角田:「影響力指数」という意味で、僕が名付けた表現で「インフルエンスインデックス(influence index =ii)」という言葉があるんですけど。この「ii」を使うということなんです。つまり、自分の心にその作品がどれだけ刻まれたのか、という指数ですね。「ブルースブラザーズを見て、オレは人生変わったぜ」みたいな作品を評価する数値を作れば、たとえ視聴率が悪くても、この「ii」が良ければお金を出すよという仕組みを作ることができれば、クリエーターが視聴率主義ではなくて、「おもしろ原理主義」でものづくりができるわけですよ。おもしろければ、お金が集まる。
 それを5年ぐらい研究していたんですけど、結局「いいね!」数でもフォロワー数でも、結局数になってしまうというところで行き詰まっていたところで、「仮想通貨を作れば成立する」ということに辿り着いたんです。ピュアコインを仮に「1000ピュア」ぐらい持ってるとするじゃないですか。そこで『君の名は』に100ピュア賭けるとか、『シンゴジラ』に50ピュア賭ける、みたいなことで仮想通貨が集まって、その結果どんどん人気も高まっていく。その作品が認められていくと、賭けた人にもセンスという価値基準があって、たとえばセンス基準が「2センス」とかに上がるんですよ。要するにお金って信用だと思うんですけど、今のお金の一番の問題は、信用がない人が持っていても、お金は使えるじゃないですか。でもこの「ピュアコイン」というのは、その人に信用がないと価値が生まれない仕組みになっているんです。

福田:おもしろい! そのアイディアはぜひ実現してください。仮想通貨って、楽天ポイントとかTポイントとか、じつはこれまでも身近にあった概念なんですよね。角田さんの仰るように「信頼があるから、交換性があるものに変えられる」わけなんですけど、「今の現金に変えるためにビットキャッシュで稼ごう」って発想をもつから、仮想通貨ってなんか腹黒い印象を与えてしまうわけで。僕は極論、「100億あったら、社会のために何をしたいのか」という発想のない人は、仮想通貨を発行する必要はないと思っていて。今は金儲け目当ての人が多いから腹黒い話しか出てこないんですけども、じゃあ仮想通貨自体が悪いのかといったらべつに悪くない。今まで、お金を盗んだ悪党がどう思っているのか、それが分かった透明な貨幣があったかって話ですよね。

角田:仮想通貨はブロックチェーンのしくみで、お金の動向がみんなが分かっちゃうわけですからね。

福田:こんな美しい考え方の目的はない。ただ、Peer to Peer(ピアツーピア。専用のサーバーを使うことなく、 接続されたコンピューター同士がコミュニケーションするネットワーク形態)で、中央集権から逃れるところにを政府が嫌がるところが出るんですけどね。しかも乱高下して、信頼もないって。でも「戦後、こんな札束でりんご1個買ってる写真を見たことあるよ」って思うんですよね。要は信用の問題だから、別に仮想通貨じゃなくたって、そういうことは起こるわけですよね。

角田:なるほど!

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