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次男にはビッグチャンスが来る

魚と海が教えてくれた経営論 Talked.jp

岡本:中学生以来、「ウソはつかない」というのが信条ですから(笑)。母親からいつも、「ウソだけはつくな」と言われて育ったので。研究の分野では、これまでも学生に申し訳ないような失敗もしていますが、ウソはついてない。

福田:失敗は仕方ないです。先生も人間ですからね。

岡本:間違えることはありますけども、人を貶めて、ということはないですね。

福田:子どもの頃、お母さんは「うそをついたらいけない」と言いますよね。ついてしまった時は、「ごめんなさい」と謝りなさい、とも。 非常にシンプルなことですが、政治をはじめ日大のアメフト問題など、今の社会では、それが言えない大人が少なくないですよね。ああいう、小学生に言えないようなことを国が、大人がやっているということに、絶望を感じますね、僕は。

岡本:全く同感です。「ごめんなさい」を言えない大人が蔓延している国では、教育は成り立たない。

福田:今の世の中の大人を見ていたら。子どもが真似をしたとしても、何にも言えないですね。

岡本:言えないです。だから学校の先生は、本当に困っていると僕は思います。子どもたちは大人をよく見ているし、よく分かっていますから。 話しは変わりますが、「何とかする力」ってとても大切だと思います。金魚の世話でも、続けていると「手抜きの場所」が分かるんですね。良く言えば「要領が分かる」。これはもう、繰り返し世話をした人だけが分かることで、こういう経験が「何とかする力」を生み出していくと。

福田:生き物はとくに、最初から手抜きは出来ませんからね。命ですからね。

岡本:そう。どんぶりで金魚を飼うと、すぐに水が汚れて環境が悪くなるので、いつもきれいな水を保ってあげないといけないんです。つねにいい環境を保つためには、手を入れなければならない。  子どもの頃、「たくさんの生き物を獲ってきた」「いろいろな生き物を飼った」とお話しをしましたけれど、最初は頑張っていても、次第に好きな野球の方にかまけて、世話を忘れたりもしていたんですよ。そういう時、代わりに親父がそっと世話をしてくれたんですが、ものすごく怒られました。普段はあまり怒らない父でしたが、「生き物を飼うということを、どういうことだと思っているのか!」と。そこに関してはえらい剣幕でね。

福田:お父様の命の価値観が、素晴らしい教育のきっかけだったんですね。そのきっかけの有無は、その後の人生を変えるほど大きいですよね。

岡本:親父が後ろからちゃんと見ていてくれた。そういう原体験みたいなものは、後になって生きてくるんですね。「後ろから見ている」って、教育の原点かもしれませんね。

福田:だからやっぱり、教育こそが大事だという話ですね。

岡本:そういうチャンスが、次男坊には来るんですよ。長男の場合、最初から「こう育てるべき」という路線が仕組まれてしまうことが多いから。

福田:素晴らしいオチになりました。次男には、想定外のビッグチャンスが来る(笑)。

岡本:本当にそうです。もちろん、長男がいての次男であることは忘れてはいません。感謝あるのみです。

福田:お忙しいところ、本当にありがとうございました。

岡本:こちらこそ、ありがとうございました。

(了)

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