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難民と共に働く意義を考える「企業研修」をスタート

学んだのは「逆境パッション」!難民とつくるカラフルなセカイ Talked.jp

福田:WELgeeの使命はたくさんあると思うんですが、具体的に言うと何でしょう。

渡部:国境、生まれた環境、国籍。そういったものに関わらず、その人が持っている可能性や経歴、パッションが表に出てくる社会。そういう自分を生きることが当たり前にできるようになる状態を目指しています。
 そのためには、仕事、働くことを通して、難民の人の活躍の場を作るのがウェルジーの使命です。

福田:そうすると、難民申請のために日本に来た人が、WELgeeを知ったら、まずは登録すればいい?

渡部:そうですね。面談して登録します。

福田:でも、その時点では働くことも、仕事の斡旋もできませんよね?

渡部:入国後、8カ月たったら就労許可が出るんです。それまでの辛抱なんですが、とは言え彼らは、その辺の日本人の何百倍もサバイバル能力はあるので。

福田:すごいですね、それ。

渡部:命を狙われたり、投獄されてから祖国を出てきたり。空爆で焼け野原になったところから生き延びて、まずはトルコに逃げて……ということをやってきた人たちだから。その8カ月間は、彼らもいろいろな方向で頑張って、支援団体を頼ることもありますし、私たちもシェルターを持っているのでまずはそこを紹介したりしています。

福田:どこにあるんですか、シェルターは。

渡部:一つは中目黒で、もう一つは千葉にあります。もうすぐ中目黒から引っ越しし、板橋に行くんですけど。

福田:広くなるんですか。

渡部:大きくなります。アパート1軒丸ごと。

福田:すごい。どうやってファンドレイジングしているんでしょう。

渡部:ファンドレイズに関しては、去年で寄付が2割ぐらい。自主事業・収益事業が4割、助成金が4割でした。

福田:自主事業というと?

渡部:自主事業はこれからもっと加速させていきますが、企業への人材紹介の伴走をしています。難民申請中で、働く意欲のある人と、クリエイティブな人材を雇いたい企業のマッチングを、「株式会社キャリアストーリー」という、転職相談サービスやMBA留学サポートを手がけている企業さんの提携業務の一環として行なっています。 もうひとつは、企業研修をやっています。企業の人たちと難民の人たちと一緒に、社会課題の解決だけじゃなくて、「そもそも社会課題って何だろう」ということを発掘するようなワークショップを一緒にやっていきます。

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福田:面白い。

渡部:働く意義について一緒に考えることで、社会問題を知るきっかけになればいいなと。

福田:すごいよね。帰る国がない人と一緒に働くことを考えたら、どんなことになるんだろう。企業にとっては、難しい課題ではないですか?

渡部:若手の社員さんと難民の人たち、結構いろんな会話が生まれるんですよ。難民の人は、「何のために働いてるの?」とか、率直に聞くんですよね。問われた方が「えーっと……」って返答に詰まったりして。

福田:「大学出たから就職した」っていう感じだと、そうなりますよね。

渡部:あと「なぜこの会社だったのか」「君は国のために働いているのか」「同じコミュニティーのために働いているのか」「将来は何を作りたいのか」とか、最初から大きな質問が飛んできますね。企業の人は、自分は今この社会の中で、この会社の中で、「何を頑張りたかったんだっけ?」ということを言語化するきっかけになるようです。

福田:気づきがあるでしょうね。でもそこにいくまでに、企業側が「そのプログラムをやります」っていうところまで口説いていく、渡部さんのエネルギーもすごい。

渡部:今はこの企業研修をもっと開拓したくて。去年の秋ぐらいから始めたんですけども、まだまだ、どんどん開拓しなきゃいけないと思っています。

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