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四角から丸へ。 車のデザインから時代を読み解く

脳を知れば、未来は変わる Talked.jp

福田:スイッチングの年が予想されるというこの2019年ですが。「大衆脳」という観点でいうと、黒川さんはどう見ておられるんでしょうか。

黒川:私、「大衆」という単位をものすごく信用しているんですよ。なぜかというと、人間って理性で考えた予想は大概外れるのに、「感性トレンド」というものは本当に外れないからです。
例えば、2003年から3年間というのは、車の形が最も丸くなった期間なんですね。「これ以上車が丸くなることはないだろう」と、私たちは車の丸型トレンドの頭打ちを宣言したんです。というのも、2003年にVOLVOが新車を発表したとき、四角が定番のVOLVOが丸かった。その新作発表会で日本のプロデューサーが、「VOLVOは1960年代までは丸かった。それを四角にしてきたが、今また時代の要請で丸くした、とスウェーデンのデザイナーが言っいてる」と話したんです。そこで、「なるほど、VOLVOまでが丸くなったら、ここが丸型トレンドのピークだろう」と。

福田:なるほど。その年、VOLVOは丸かった。

黒川:ええ。しかし、流行は留まることがありません。2003年に「丸くグラマラス」のピークを見た車たちにも、7年経てば、角が立ちはじめます。2009年にダイハツから「かくかくしかじか四角いキューヴ」のコピーで話題になった、ムーヴ・コンテが登場しました。トヨタは、「ごつんとルミオン、四角系」というコンセプトで、2009年には、子ども店長の顔を四角くしたキャラクターまで登場しました。そこからまた7年立つと、この角がさらに尖って強調される。2016年には目がとがって、お尻がキュッととがったマツダロードスターがカーオブザイヤーに選ばれました。日産プリウスも、この年発表のデザインはお尻がきゅっと上がっていましたね。そしてこの2016年は、メイクでもアイラインにキャッツラインが流行りました。目尻をきゅっと上げるメイクなんですけどね。

福田:本当だ。当たっていますね、完全に。

黒川:当たっています。だから、人がごちゃごちゃ言うことはいろいろ外れても、大きな流れは当たっている。ということは、人は顕在意識よりも潜在意識のほうがしっかりしているってことです。つまり大衆というのは潜在意識の総括なので、私はその大衆全体の感性を一番、信用しているわけなんです。

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