アートが変える新元号の社会

アートが変える新元号の社会(前篇)

主催:学校法人トキワ松学園 横浜美術大学
日時:2019年3月18日
場所:横浜美術大学
構成:井尾 淳子
撮影:越間 有紀子

福田 淳氏

ブランド コンサルタント。1965年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業。 ソニー・デジタルエンタテインメント創業者。 横浜美術大学 客員教授、金沢工業大学院 客員教授。 1998年、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント社 バイスプレジデントとして、衛星放送「アニマックス」「AXN」 などの立ち上げに関わる。 NPO法人「タイガーマスク基金」の発起人をはじめ、 文化庁、経済産 業省、総務省などの委員を歴任。 2017年、カルティエ提供「チェンジメーカー・ オブ・ザ・イヤー2016」を受賞(日経BP)。近著に『SNSで儲けようと思ってないですよね?世の中を動かすSNSのバズり方』(小学館)がある。

新元号によって入るスイッチ

初めまして、福田です。本日はお招きいただき、ありがとうございます。よろしくお願いします。

今日のテーマは「新元号が変えるアート」とさせていただきました。何の偶然か、今日は新元号発表の2週間前です。そこで、今回のテーマを選んだというわけです。
2週間後に新元号が発表される時を想像すると、僕はポジティブなイメージしかないです。なぜかというと、僕はずっと「日本にだけ、21世紀が来なかったんじゃないか」という自説を持っていたからです。21世紀、2001年を迎えて、世界では様々なことが変わりました。「トイザらス」「シアーズ」「リーマン」などの企業が相次いで倒産。GAFA(Google、Amazon.com、Facebook、Apple Inc. の4つの主要IT企業)など、情報加工をメインとする企業が台頭しました。ところが、日本は東芝がつぶれそうになったり、シャープが台湾企業になったりと、20世紀型の大量消費型のメーカーがつぶれかかっただけで、新しいイノベーション起きなかった。21世紀になってからの日本を代表する企業は何かと考えると、メルカリか、チームラボくらいでしょうか。つまり、日本はミレニアムの変化に完全に乗り遅れたと言えます。

だからあと2週間後、新元号発表後にようやく、日本人にとっての21世紀が到来し、イノベーションが起こると予想しています。景気動向指数的な数字とは別に、人間のスイッチというのは感性、感覚でオンになるようなところがあるんじゃないか。それが、新元号だと思うんですよ。これだけ新元号のニュースでメディアも沸き立って、毎日ニュース番組やらバラエティー番組やらで取り上げられるというのがその証拠で、日本人のマインドにスイッチが入らないわけがないんですよね。だから、2週間後に元号が発表されたら日本はいい意味で沸き立って、そういうスイッチを入れるためにも、よりアートが社会に近づかなきゃいけないし、近づくだろうと楽天的に見ています。
今日は、その現象を三つ分析して、解説していきたいと思います。

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