Be general is be Aho! ~環境問題のイメージを一新しよう!~

Be general is be Aho! ~環境問題のイメージを一新しよう!~(前編)

構成:井尾 淳子
撮影:山本 ヤスノリ
日程:2019年3月6日

清水 イアン(写真右)

環境アクティビスト。1992年大阪生まれ、東京育ち。国際基督教大学(ICU)卒業。大学在学中から国際環境 NGO 350.ORG Japan の立ち上げに貢献。世界一多様性に富んだサマーキャンプを日本で開催する教育ベンチャー Gakko(ガッコー)日本代表。環境に関して発信を行うコミュニティ・メディア Spiral Club (スパイラルクラブ)言い出しっぺ。世界中の環境活動家・冒険家・教育哲学者との繋がりを強みに、日本で「エコロジカル・マインドフルネス」を社会そして教育の分野で浸透させる活動を行う。現在、SPEEDY 代表取締役の福田 淳と森林を保護する団体を立ち上げている最中。
http://spiral-club.com

福田 淳(写真左)

ブランド コンサルタント。1965年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業。 ソニー・デジタルエンタテインメント創業者。 横浜美術大学 客員教授、金沢工業大学院 客員教授。 1998年、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント社 バイスプレジデントとして、衛星放送「アニマックス」「AXN」 などの立ち上げに関わる。 NPO法人「タイガーマスク基金」の発起人をはじめ、 文化庁、経済産 業省、総務省などの委員を歴任。 2017年、カルティエ提供「チェンジメーカー・ オブ・ザ・イヤー2016」を受賞(日経BP)。近著に『SNSで儲けようと思ってないですよね?世の中を動かすSNSのバズり方』(小学館)がある。

推定総額5億円を動かす 「ダイベストメント」って知ってる?

福田:イアンくんのことを知ったのは、この記事だったんです。

http://neutmagazine.com/series-350-org-5

イアン:「ダイベストメント」についての取材記事ですね。

福田:そう。あの記事を読んで、本当にびっくりした。「ダイベストメント」という言葉を知ったのも僕は初めてだったんですけど。イアンくんたちが「環境のために銀行を替える」運動として、推定総額5億3千万円を動かしたという。このダイベストメントについて、読者にわかりやすく説明してもらえますか。

イアン:はい。僕は大学生の頃から3年間、「国際環境NGO 350.org Japan 」という団体のオーガナイザーとして活動していました。
ダイベストメントとは「投資=インベスト」の逆で、「投資を撤退する」という意味の言葉で、今では世界的な運動です。今、気候変動が危機的な状況まで来ていて、その原因をつくっているのはまず化石燃料だから、化石燃料の使用を減少に持っていかなきゃいけない。けれど、化石燃料を採掘する事業だったり、それを燃やす事業だったり、企業だったりにお金が大量に流れている現実がある。だから、その「お金の部分から気候変動を解決しよう」という発想で、化石燃料関連企業や事業から、お金を引き抜く行為がダイベストメントです。

福田:なるほど。

イアン:そうやって「お金の流れ」を変えることで気候変動を防止して、サスティナブル(持続可能)な未来を目指そうよっていう。

福田:すごいダイナミックというか、過激な運動だよね。実際、「運用を変えてくれ」と伝えるべく、銀行に行くわけでしょう? 

イアン:はい。銀行以外にも、投資家の方や年金基金とか。「あなたの運用が、気候変動を悪化させています。もう気候変動に関しては、黒か白の時代まで来ています。で、あなたはどっちに立つんですか」と伝えて、ダイベストメントをお願いします。

福田:そういう、まずはソフトな感じでいくわけですか。

イアン:最初はソフトです。でも、はじめはなかなか、アポが取れないですね。初めてアポが取れたのは、銀行の外で「アクション」をやった後でした。

福田:それは日本で?

イアン:はい。みずほ銀行の外で、だいぶ大げさに。

福田:その時、「将来、みずほで銀行口座つくれないかもしれない」とか、「住宅ローン借りられないかもしれない」なんていう不安はなかった?

イアン:僕は、なかったですね。そういった不安よりも、気候変動が悪化してしまう不安のほうがよほど大きいっていう思いが根本的にあって。

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