いま、必要な「エリート論」~マクロン大統領とナポレオンの戦略 (前編)
構成:井尾 淳子
撮影:越間 有紀子
日程:2019年11月26日
芳野 まい(写真左)
東京生まれ。フランス20世紀初頭の作家マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』を読み、フランス語・フランス文学の研究を志す。プルーストの小説を中心に小説・映画のなかのファッションについて研究。東京大学教養学部教養学科フランス科卒。フランス政府給費留学生として渡仏。東京成徳大学経営学部(ファッションビジネス)准教授。一般財団法人セゾン現代美術館 理事。フランスチーズ鑑評騎士の会 日本支部 理事(オフィシエ)。一般財団法人ベターホーム協会 理事。NHKラジオフランス語講座「まいにちフランス語」講師(テーマ「ファッションをひもとき、時を読む」「ガストロノミー・フランセーズ 食を語り、愛を語る」)講師。
http://maiyoshino.com/
福田 淳(写真右)
ブランド コンサルタント。1965年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業。 ソニー・デジタルエンタテインメント創業者。 横浜美術大学 客員教授、金沢工業大学院 客員教授。 ブランディング業務以外にも、女優”のん”などタレントエージェント、北京を拠点としたキャスティング業務をはじめ、国際イベントの誘致、企業向け"AIサロン'を主宰、ロサンゼルスでアートギャラリー運営、森林破壊を防ぐNPOなど、活動は多岐にわたっている。1998年、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント社 バイスプレジデントとして、衛星放送「アニマックス」「AXN」 などの立ち上げに関わる。 NPO法人「タイガーマスク基金」の発起人をはじめ、 文化庁、経済産 業省、総務省などの委員を歴任。 2017年、カルティエ提供「チェンジメーカー・ オブ・ザ・イヤー2016」を受賞(日経BP)。近著に『SNSで儲けようと思ってないですよね?世の中を動かすSNSのバズり方』(小学館)がある。
http://spdy.jp
映像のように本を読む
福田:この対談は、僕が個人的にお目にかかりたいと思う方と話を伺っていく企画なんですけども。
芳野:はい。楽しみにしていました。
福田:ありがとうございます。この対談でお話する方って、ほぼ幼少期~思春期のときの何かしらの出会いによって、今の活動やご職業に就いていることが多いんですよね。僕は14歳のときに映画『スターウォーズ』見て。僕、小学校のとき、クラスで人気者だったんですよ(笑)
芳野:福田さんは、人気者だったでしょうね。そんな感じがします。
福田:人が笑っていると、幸せになるじゃないですか。映画は、大勢の人を一度に笑わせたり、感動させたりできるから「これは効率的だな」ということで映画監督になりたいと思ったんです。それで日大芸術学部行って、社会人になってからハリウッドの映画会社に入って、いろんなことがあって、映画監督ではない今の仕事に至っているんですけど(笑)。芳野さんの場合は、そういう出会いってありましたか。
芳野:私は15歳でした。「思い込む力」がマックスで。本を読むのがすごく速かったんです。理解しながら読むのでなく、コピーを取るようにしか読めないんです。
福田:あぁ、アメリカのヒットドラマ『SUITS/スーツ』の主人公である若きパラリーガルの男性が、スナップショットみたいに「一度見たものは決して忘れない」という驚異的な記憶力で活躍するお話がありましたね。
芳野:私の場合は活躍したりはしないのですが(笑)、映像で“ぱんっ”と入っちゃうんです、全部。それで中学生の頃、図書室の本をほぼ全部読んじゃっていました。1日20冊ずつぐらい読んでいたから。
福田:すごい。知の塊ですよ。