デザイン経営時代のブランディング
会社を50代で辞めて勝つ！ 逆算のキャリア戦略 ～WASEDA NEOトークセッション～（前編）
主催：WASEDA NEO
構成：井尾 淳子
撮影：越間 有紀子
日程：2019年12月12日
場所：早稲田大学日本橋キャンパス（コレド日本橋5階部分）
WASEDA NEOとは
ゲスト／高田敦史氏
元トヨタ自動車、レクサスブランドマネジメント部長。現在はA.T. Marketing Solution代表の他、Visolab株式会社 Chief Marketing Officer、経済産業省「産地ブランド化推進事業」プロデューサー、広島修道大学非常勤講師も務める。 1961年生まれ、一橋大学商学部卒業。1985年トヨタ自動車入社。宣伝部、商品企画部、海外駐在(タイ、シンガポール)等を経て、2008年、宣伝部の分社化プロジェクト「Toyota Marketing Japan」を担当し、Marketing Directorに就任。2012年からトヨタ自動車に戻り、Lexus Brand Management部長として、レクサスのグローバルブランディング活動を担当。レクサス初のグローバル統一広告の実施、カフェレストラン「INTRESECT BY LEXUS」の東京、ニューヨーク、ドバイでの出店等、各種施策を主導。2016年、トヨタ自動車を退社し、個人事業主となる(屋号:A.T. Marketing Solution)。独立後はブランディング領域を中心としたコンサルティング業務、講演活動等を行う。近著に『会社を50代で辞めて勝つ! 「終わった人」にならないための45のルール』（集英社）がある。 http://atmarketing.biz
ホスト／福田 淳
ブランド コンサルタント。1965年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業。 ソニー・デジタルエンタテインメント創業者。 横浜美術大学 客員教授、金沢工業大学院 客員教授。 ブランディング業務以外にも、女優”のん”などタレントエージェント、北京を拠点としたキャスティング業務をはじめ、国際イベントの誘致、企業向け"AIサロン'を主宰、ロサンゼルスでアートギャラリー運営、森林破壊を防ぐNPOなど、活動は多岐にわたっている。1998年、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント社 バイスプレジデントとして、衛星放送「アニマックス」「AXN」 などの立ち上げに関わる。 NPO法人「タイガーマスク基金」の発起人をはじめ、 文化庁、経済産 業省、総務省などの委員を歴任。 2017年、カルティエ提供「チェンジメーカー・ オブ・ザ・イヤー2016」を受賞(日経BP)。近著に『SNSで儲けようと思ってないですよね～世の中を動かすSNSのバズり方』（小学館）がある。
http://spdy.jp
54歳でトヨタ自動車を退社
司会者：本日はお忙しいところ、お集まりいただきありがとうございます。今回は『会社を50代で辞めて勝つ！』（集英社）という著書が話題の高田敦史さんにお越しいただいております。前半は、ご著書のエッセンスも含めて、高田さんにお話をいただいた後に、いつものように株式会社スピーディ福田淳さんとのディスカッションを行いたいと思います。では早速高田さん、よろしくお願いします。
高田：よろしくお願いします。高田でございます。自著『会社を50代で辞めて勝つ! 「終わった人」にならないための45のルール！』を、今年の6月26日に出版し、おかげさまで重版になりました。もう少し皆様のお力をいただくと、3刷が見えてまいりましたので是非よろしくお願いしたいと思います（笑）ちょっと偉そうなタイトルなので、僕は抵抗したんですけども、版元の集英社の人に「このくらいインパクトがあったほうがいい」とアドバイスを受けたんですね。実際、「勝っているか」というのはまだよくわからないですが、サラリーマンが会社を50代で辞めて、なんとかやっていくためにはどうしたらいいかということを書いたつもりでございます。はじめに、私の経歴を簡単に紹介させていただきますと、もうすぐ58歳になります。85年に『トヨタ自動車』に入社しました。
赤字の部分が、広告や宣伝の仕事です。ブルーの部分が商品関係。トヨタ自動車の中には「商品企画」「製品企画」の部署があるんですね。「製品企画」はチーフエンジニアがいて、エンジニアが製品を作っていく部門で技術部です。「商品企画」は、事務系出身者が中心になってマーケットの分析をしたり、将来のトレンドを読んで、「こういう車を作ったらどうか」といったことを考えたり。まさにこの2つの部門が一緒になって新しい車の開発やモデルチェンジがされていくわけですね。で、私はその宣伝と商品企画の仕事が半々でございました。2010年に『トヨタマーケティングジャパン』という、宣伝部を分社化した会社を立ち上げて、マーケティングディレクターという役職に就きました。そこでレクサスの担当をしていたところ、レクサスは分社化ではないんですが、社内でトヨタとは分けて、「社内分社化をして独自の組織を立ち上げろ」ということでその組織を立ち上げまして、ブランドの責任者を務めていました。そんなことをやっている中で、まぁ組織というのはいろいろありますから思うところがありまして、もう辞めちゃおうとなったんです。
退職後は『A.T. Marketing Solution』というマーケティングアドバイス業務を行う仕事で起業をしました。よく「A.T. カーニーのグループですか？」なんて聞かれますけども、全然関係ないです。「アツシ・タカダがマーケティングの課題を解決します」という社名でございます（笑）あとはいろんな方からご縁をいただいて、いろんなお仕事のお手伝いをさせていただいている、ということでございます。今日のお話は、僕の体験談に基づいて書いた自著の、前半分の内容を主にご紹介したいと思っています。
