「プロ営業師」が伝授する、人たらし術とは(後編)
編集:井尾淳子
構成:草野美穂子
撮影:越間 有紀子
日程:2020年11月10日
高山洋平(写真/右)
1978年4月生まれ。東京都出身。株式会社おくりバント社長。プロ営業師(自称)。コミュニケーションのスペシャリスト。大学卒業後、不動産投資会社で圧倒的な営業成績を収め続けた。その後、IT業界大手の株式会社アドウェイズに入社。独自の営業理論を武器に、中国支社の営業統括本部長まで上り詰める。2014年2月には「自分でもクリエイティブを作りたい」という想いから、同社の子会社として、株式会社おくりバントを創業。「得点圏まであなたを」を企業理念に掲げ、PR企画・PRコンサル・デザイン・CM・MV作成・楽曲制作・ライティングなどのクリエイティブ全般を行う。社長を務めるかたわらプロデューサーとして実務にも携わり、数々のピンチを切り抜けつつ結果を出してきた。2020年3月には黒字を達成。営業力には定評があり、企業や大学で営業をテーマとしたセミナーの講師も務めている。近著に『ビジネス書を捨てよ、街へ出ようプロ営業師の仕事術』(総合法令出版)がある。
福田 淳(写真/左)
1965年大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業。 ソニー・デジタルエンタテインメント創業者。横浜美術大学 客員教授、金沢工業大学 客員教授。ブランディング業務以外にも、女優”のん”などのタレントエージェント、北京を拠点としたキャスティング業務をはじめ、国際イベントの誘致、企業向け「AIサロン」を主宰、ロサンゼルスでのアートギャラリー運営、沖縄でのリゾート開発、ハイテク農業など、活動は多岐にわたっている。タレントと日本の芸能界にはなかった「米国型エージェント契約」を導入したことでも話題を呼んだ。
モザンビーク支援のNPO法人「アシャンテママ 」共同代表理事、NPO「タイガーマスク基金」の発起人をはじめ、 文化庁、経済産業省、総務省、内閣府などの委員を歴任。
2022年4月30日『スイスイ生きるコロナ時代』(坂井直樹氏と共著/高陵社書店)を上梓。著書に『パラダイムシフトできてる? ~ポストコロナ時代へ』(スピーディBOOKS)『SNSで儲けようと思ってないですよね~世の中を動かすSNSのバズり方』(小学館)がある。
公式ウェブサイト http://AtsushiFukuda.com
コロナの影響を受けて始めたこと
福田:ところで、コロナの影響というのは実際どれくらいあった?
高山:本当に焦っちゃいましたよ。7年やってきて、ようやく営業利益が出る会社の社長になったっていうタイミングでしたから。給料払って、経費も使えて、利益残った、って…立派なものじゃないか。この素晴らしい生活を一生維持したいと思っていた矢先に、ドーンと。
福田:コロナが来て。
高山:もう、案件なんか全部止まりましたよ。
福田:(2020年の)4月ごろの話?高山:そうです、4月ごろ。3月はまだ「ヤバそうだな」「だんだんヤバくなってきた」だったのが、4月になると「本当にヤバい」「どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう」って…で、5月に諦めたんですよ。
福田:早いねえ。
高山:逆に諦めるのが遅すぎたぐらいですよ。なんで4月に諦めなかったんだろうなと思いました。ちょうどその頃には飲み屋が全部休みになっちゃって、自分がいられる所が欲しかったので、休業している飲み屋の2階を借りることにしたんです。
福田:スナックや飲み屋が好きだもんね。
高山:なのに営業をしていないので。だから、飲み屋の2階の家賃を払って、そこで遊んでいたんですよ。
福田:オフィスにしてやろうというんじゃなくて、ただ遊んでいたんだ。
高山:その時は暇だったし、遊ぶと決めたからには、今までやっていないことをやろうと思って。自称映画監督のニートの友達と一緒に。
福田:働いていない人だから、参考になるね。
高山:そこで何をやろうかと考えてまず、『信長の野望』をクリアしたことがないなと。
福田:ゲームかい(笑)
高山:『信長の野望』すらクリアしたことがなくていいのかと。で、『信長の野望』をやって、そのあとに『三国志』をやろうとしたら、その友達に「いつまでそんなことをやっているつもりだ!」と。
福田:ニートに言われたくないけど、言われちゃったんだね。
高山:それで「映画を撮ろう」ということになって、Twitterで毎日2分ぐらいの動画を20日間連続で投稿したんです。
福田:ホント?
高山:はい。『スペース・カウボーイ』っていうSF映画を撮って、なんの説明もない難解な映像を毎日上げていったら、それが意外とカルト的な人気が出て。そこから、「うちも撮ってくれ」と案件が入ってくるようになって「ああ、まあ、やるか」みたいな感じでミニマムスタートをしている、という状況が出来ました。