logo

しあわせになる仕事術 Talked.jp

断絶された一日を感じる世界観

福田: よく政治家が一日一生じゃないですけど、一日精一杯生きるって言いながら、それをすぐ忘れるわけですよね。

北川: まさにそうだと思いますね。

福田: 歴史の本を紐解くと、歴史的なパラダイムは突然起きていますよね。こうやって暮らしていると、昨日の連続で今日があるように見えるけど、実はそんなことなくて、どこかで過去に対する断崖絶壁みたいなのがバンと現れると。そう思うと、なんか今の経営メソッドってすごい過渡期の古いメソッドじゃないかなって思っちゃいますよね。だから、3カ年計画作って作れないですよね。分からないんです、明日のことも。だけど、今どういう状況に置かれてるかについては、考古学者みたいに考える。それは好きなんですよ、今どう思うって。 だから、やっぱり日々昨日の連続でいたいという感覚的なことが続くんだろうとは思うんですけど、実は今日は昨日の連続じゃない。断絶している何かがある気がしてますね。全然、昨日と関係ないんですよ、今日は。

北川: その生き方、その世界観そのものが、面白いなって思えるんですよね。学者として生きていた時時って、歴史に生きちゃうんですね、ある意味で。だから100年、200年と生きちゃうんですよ。あと、科学的なもの、つまり普遍的なものこそ良い、という世界観なので、それを四六時中考えると、普遍的な中に生きちゃうんですよ。そうすると、自分という生身の存在だとか、自分というエモーションだとか、自分が今日生きているってことを忘れがちになって、もうふわっとした感じで理論の中に生きちゃう。逆に、生々しさというか、さっき言ったロッククライミングじゃないですけど、そういった山登りだとか、政治家の「一日一生」とか、先ほどおっしゃった断絶された一日を感じる世界観っていうのも、その対比としてすごい価値あるな、と日々感じますね。

福田: そうですね、その世界観を持てるか持てないかが、先ほど「ここんとこ人間は進化ないように感じる」と言われたことのなんか解なのかもしれませんね。iモードが流行った時、「俺何キャラ」とか言うのがいけないって、社会学者が忠告したんですよ。クラスでも「俺笑かしキャラ」とか、「俺何とかキャラ」ってなりがちだけど、人間ってもっと多様なもので、そんな一つのキャラに収まるもんじゃないって。そんなことはみんな知っているんですよ。知っているけど、その役を演じることによって、その日の予定調和が生まれるっていう世界観。今のネットってそんなに悪くない。ただ、世界観の与え方っていうのに対する教育は、あんまりなされてないかもしれませんね。

TOPへ