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ビジネスの本質は、「ギャンブル」と「ピンハネ」

ビジネスはロック。だから「バンドやろうぜ!」 Talked.jp

福田:ちょっと話の角度変えて、そんな先取りし過ぎちゃった橘川さんが、ここ1年ぐらいの気になることとか、やりたいこととか、文句言いたいこととかどうでしょう?

橘川:もともと企画が降ってくるタイプではあったんですけど。それが最近は、テーマがでかいんですよね。ドカンときて、もうちょっと支え切れないぐらい。これは多分、僕の時代認識だと思うんですが、今「AIが奪う人間の仕事」的なものが多いじゃないですか。たとえば「士族の仕事はダメ」とか。でも、あんなのはちょろいというか。

福田:ちょろいというのは、まだ読みが浅いってことですか? 「そんな未来図じゃないよ」的な。

橘川:これからどのジャンルが伸びるとかっていうのは、20世紀的な見取り図なんですよね。20世紀に考えた未来図であって、ロードマップなんです。

福田:もともとの発想の原点が20世紀的。

橘川:そう。で、今起きていることは、会計士がいなくなるとか、ディレクターがいなくなるとかいう話じゃなくて、ビジネスがなくなるということだと僕は思っていて。

福田:ビジネスそのものがなくなる。

橘川:近代のビジネスそのものがなくなるという、そういう局面なんですよ。どういうことかというと、実はビジネスって、近代なんですよね。産業革命から起きているわけですよ。それまでは個人的な営みだったり、個人の商売がメインだったりで、ビジネスではなかったんですね。

福田:それが近代になって組織化されていった、と。

橘川:そう。だから、鍛冶屋の製造とかは、新技術のシステムじゃないわけですよね。それが近代になってビジネスになった。ビジネスの本質というのは、僕は二つだけと思っていて、それが「ギャンブル」と「ピンハネ」なんですよ。

福田:ギャンブルとピンハネ。

橘川:ひとつめのギャンブルは、要するに投資ですね。賭けてうまくいけば大リターン、失敗すれば沈没っていう。もう一つのピンハネは、言葉は悪いけども、要するにマージンなんですよ。

福田:例えば工場経営だとすると、原価があって、人件費があって、上前前払いとかですね。

橘川:つまり、「人と人」「地域と地域」をつなげて、「間に入る」ということなんですよ。それは旅行代理店でも広告代理店でも同じ。商社でも、「欲しい人」と「必要な人」と「売りたい人」と、この間に入るのがビジネス。そこで手数料を計上する。ビッグビジネスというのは、この回路を大きくして、ピンハネ率を高くする。それが近代ビジネスの本質なんですよ。

福田:それは20世紀の一番大きな発見だったわけですよね。大量消費を支えるための。

橘川:そうですよね。だから、商社とか国際企業は、そのパイプを大きくしたから、ピンハネ率も高かった。フランチャイズも1店でやるよりは1000店でやったほうがピンハネ率は高くなる。

福田:効率が良かったし、マージンも高くなると。

橘川:実際、高くなっていますよね。ところがインターネットが、その間に入るビジネスを不要として、「欲しい人」と「売りたい人」を直接つなげてしまった。

福田:まさに、UberにしてもAirbnbにしても「中抜き」ですよね。

橘川:つまり、インターネットがビジネスを排除しているわけ。

福田:「CtoC」ですよね。

橘川:だから、近代ビジネスの構造がもう終わるんですよ。そうすると、残るのはギャンブル。ビットコインですよね。ギャンブルは残る。もう一つは、ピンハネ以前の小さなビジネスは残る。スモールビジネスは残る。作った人が、買ってくれる人に直接売って、製造品から生活費を取ると。だから「何もしないでピンハネする」っていう構造は、もう駄目ですね。

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