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海外企業のブランディング理念

ネットを捨て街に出よ ~五感に響く生き方がすべて~ Talked.jp

福田: 日本の企業の時価総額の中に、このブランディングは、ほぼ入っていません。日本人は、ブランド理念よりも、数字やマーケティングの方が大好きなようです。しかし、欧米の企業においては、ブランディングの価値を理解しているところが比較的多いのです。今後は日本でも、ブランディングのニーズが増えるのではないかと考えて、僕はスピーディというユニットを立ち上げたところもあります。

ネットを捨て街に出よ ~五感に響く生き方がすべて~ Talked.jp

お酒がお好きな方はシャンパンをお飲みになると思いますが、モエ・エ・シャンドンのブランド理念は「お祝いの場を作り出す」です。こういう社是は、企業の公式サイトには出ていません。「シャンパンをどんどん飲んで、西麻布や六本木あたりを活性化させよう!」というのが社是ではないんです(笑)。ブランド理念ではひと言も、「お酒を飲んでください」とは言ってはいません。

パンパースは、「わが子の健康で幸せな生活を望む母親の手伝いをする」。このブランディングを掲げてから、パンパースは売上が200倍になりました。「人生における成功の象徴となる」という、メルセデス・ベンツのブランド理念は分かりやすいですね。「性能のいい車をつくる」とかではないんです。エンジニアリングじゃないんですよ。 ルイ・ヴィトンは、高級な洋服や革製品だけじゃない。「人生という旅を上質で濃密な体験にする」。そもそも、旅をしなければ、トランクなんて買わないですよね。IBMなんか、もっとすごい。「賢い地球を築く」。

こういったことが、企業のブランド理念です。このブランド理念を持っているか持っていないかで、たとえ1~2年業績が悪かったとしても、長期スパンで考えれば、いずれユーザーに愛されるブランドへと成長します。「ブランディングとは何か」を考える時、僕は「その企業と社会との接点をどう探すか」に尽きると考えています。専門用語で言うと、「カスタマージャーニーをどう考えるか」ということがとても重要なのです。

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