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ハードボイルドな漫画に学ぶ

経営者の在り方ってなんだ!?「プロ営業師」が伝授する、人たらし術とは

高山:自分はビジネス書って、叔父貴の本しか読んだことがないんですよ(笑)。漫画が好きで、寺沢武一の『コブラ』とか、小説では原尞とかレイモンド・チャンドラーとか。一定のハードボイルド系が結構好きなんですよ。なぜ好きかというと、ハードボイルドの人たちは、常日頃考えられないようなハードなシチュエーションにいるから。俺たちビジネスマンなんて、そんなにやばいような、命のやり取りなんて一度もしたことがない。だから、ピンチ慣れしているなと思って。

福田:普通に仕事している分にはないよね。

高山:ちょっと怒られるとかいう程度ですよね。ただ、自分が上司にガーッと言われたら余計にテンパったりするよな、って想像するんですよ。寺沢武一の『ゴクウ』っていう漫画に好きな場面があるんですけど、ゴクウを結構大変なトラブルに巻き込んでしまった女の人が「ごめんね。トラブルに巻き込んじゃって」って謝るんです。そうしたらゴクウは、「心配するな。トラブルは俺のミドルネームだ」って…カッコイイですよね。

福田:カッコイイね。

高山:そういうことを自分が上司として言えたらいいな。何か問題が起こった時、「大丈夫。安心しろ。トラブルは俺のミドルネームだ」って。そんなこと言われたら「この人半端ねえな」って思いますよ。

福田:たしかに強いね(笑)

高山:危機に直面している人や修羅場を前にしても、渇いた感じでポップに何事もなかったかのように振る舞えるのって強いですよね。

福田:さらっとこなす、みたいな。そんな男気がある上司はいいね。「トラブルは俺のミドルネームだ」とか。だけど今はマウント取るのに一生懸命とか、器が小さい上司っていうのも多いじゃない? 自分には火の粉がかからないようにするとか。「逃げ足早っ!」みたいな…。でも、僕は怒られたことがないんだよね。

高山:いいなあ。

福田:怒られそうな部下を、若いときからずっと研究していたからね。怒られそうな人っていうのは“怒られ顔”をしているし、実際に怒られた時にすまなさそうな顔をしている。上司にとっては一番怒りたくなるタイプ。僕の場合は、「なんだよ。おまえ駄目じゃないか」と言われたら「なるほどですね」と返すから。「なるほど」といったん受け止めるけど、上司は「こいつはちっともこたえてないな」という感じになるわけ。その上で「確かにそれは私のミスでございます。申し訳ございませんでした」と、申し訳なくない感じで言うのがポイント。そうすると上司も「ちょっと面倒くさいやつに捕まっちゃったな」という感じで、それ以上は言われなくなるんだよね(笑)

高山:「全然申し訳ないと思っていない感じ」で謝るんですか?

福田:仕事でミスはするものだし、しょうがないよね。怒るような事案ではないよ。

高山:しょうがないですもんね。

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