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怒られた時の対処法

「プロ営業師」が伝授する、人たらし術とは

福田:サラリーマン時代、ちょっとしたミスで30億円ぐらいの損失を出したことがあって。

高山:えっ、ちょっとしたって(笑)

福田:その時の社長はすごかったね。「福田さん、昨日ちょっとしでかしちゃったね」って言われて。「まあそうですね。結構な損でしたね」と返したら、「しばらくベンチを温めてくれるかな?」って言われた(笑)。二軍ですよ。でも「カッコイイな」と思った。「分かりました。しばらく呑気にしています」と。それからしばらくオフィスから海を見て過ごしていたね。

高山:いい社長ですね。

福田:誰かに聞いてなるほどなと思ったんだけど、人間は20分以上怒るネタがないっていう話。「さあ僕を怒ってごらん」と言った時に、「おまえバカ、アホ、マヌケ」ぐらいで、それ以上出てこない。20分程で「もう大体よろしいですか? じゃ、やり直してまいります」ということでいいわけだよね。

高山:この本にも、怒られたときの対処法を書いてあるんですよ。

福田:いいね。読者のために、どういう対処法なのかちょっと教えてください。

高山:例えば「おい!」と怒られたときに「すみません。今批評を聞きたいのだけど、メール100本書いているので行けません。ですので、申し訳ないのですが、日曜日にお時間を取ってもらえませんか?」と(笑)

福田:日曜日!(笑)

高山:人の時間を無駄にする人って、自分の時間を無駄にされるのが嫌いだから。「すみません。そのお話を一日かけて聞かせてください」とか言って。絶対にそういう人は日曜日に時間を取らないですから。

福田:中途半端に謝るぐらいなら、全力で、相手をあきれさせるぐらいに豪快にね。

高山:昔、本社アドウェイズ社長岡村さんから家を借りた時の話なんですけど。岡村さんが出張へ行っている間、なんと3週間ぐらいクーラーをつけっぱなしにしちゃったんですよ。

福田:切り忘れたんだね。

高山:その社長さんから「クーラーがずっと回っています」とLINEが来て、「ヤベぇ…」みたいな。さらに「ちょっと一応聞きますけど、俺のことなめてますか?」って来て。「うわ、怖っ!」「どうしよう、どうしよう」と焦って、そのLINEをスクショして、「こんなふうに言われてる。なんて返事すればいいだろう?」って友達に送るつもりが、間違えてその本人に送っちゃったんですよ(笑)。「ヤベぇよ!」とか言って。

福田:「ヤベぇ」のがもっとヤバくなっちゃった(笑)

高山:それに気付いた瞬間、もう、「どうしようどうしよう!」ってパニックになったんですけど、5秒後には『天牌』っていうプロ雀士の漫画を思い出して。黒沢っていうめちゃくちゃ強い人が負けたときに、土を…。

福田:食べる。

高山:そうです。戒めに噛み締めるために、土を持っているんですよ。「あの黒沢のように自分への戒めのために土を噛み締めて…ということをやりたくて、送ったんです」と言い訳したんですよ。

福田:「土を噛み締める、それぐらいの気持ちなんです」と。

高山:「今後このようなことがないように、強く刻むためにも」とか言って。

福田:で、許してもらった。

高山:はい。そうなったらギャグですから。

福田:そんなヤバい失態をして、落ち着いて対応するのも大変だけど、そこで笑わせるというのはさらに上手。なるほど、だから一貫しているね。「この本の中にあなたが求める答えはありません」って書いてあるんだねぇ。それで、読んだ人には、「この本を捨てろ」と言うんでしょ。この本の帯に、高山さんのお父さんの言葉があって、「息子の本ですが、すぐ捨てました」って(笑)

高山:そう。「こんなものを読んでいるぐらいだったら、早く町に行って遊んでいた方がいいよ」という本だから、早く捨てて遊びに行けばいい。

福田:売れちゃったらどうしよう(笑)

高山:重版が決まったんですよ。

福田:すごいね!

高山:新人だから印税は安いですけどね。その代わり好きにやらせてほしいって言いました。

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