守屋：新規事業にも投資をするような立場になってきて思うんです。事業に対して、瞬間的に反応する熱さとかそういうものを持ちながら、その事業が遅々として進まなくてもイライラしない。これって結構大事なことだと思っているんです。これは相反する話ですが、瞬間的にやるべきだと言っている一方で、長い年月がかかっても平気っていうこともあるなと。

福田：分かります。

守屋：相手を瞬間的に信じて熱くなって、「一緒にやるぞ！」と始めたとして、その人が失敗してもいちいちイライラしない。人、物、金に対して矛盾するそれぞれを理解すると、新規事業との関係って結構うまくいくと思っているんです。金を出した瞬間に馬乗りになるようだと、もうろくなことがない。

福田：その話で思い出したのは、コンセプターでデザイナーの坂井直樹さんです。弊社の会長で、今73歳なんですけど、10年程のお付き合いの中で怒っているのを見たことがないんですよ。「どうしてですか？」と聞いたら「あれはエネルギーいるからね」って。そうか、たしかに怒るのはエネルギーがいりますよね。

守屋：素晴らしい。すごいなあ。

福田：今度機会があればご紹介しますね。いやでも、今日はお会いできてよかったです。まだまだお聞きしたいことはありますが、楽しかったです。ありがとうございました。

守屋：ありがとうございました。

(了)

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