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商品はすべて、「まず自分が試す」が鉄則

元ジャパネットたかた人気MCが語る 配信時代に問われる「伝えて、売る」技術(前編)   Talked.jp

福田:僕は芸能エージェントをやっていて思うのは、お客様に向けてプレゼンテーションをする機会が本当に少ない「商材」なんだなということです。ライブを通じてリスナーとコミュニケーションをとることはもちろんありますけども、それ以外では、意外とどうコミュニケーションを取っていいか、よく分からない商材なんですよね。

馬場:今は「マスメディアの力を借りる」ということではなくて、「スモールメディア」の時代ですよね。例えばSNSと呼ばれるものでも、InstagramもあればTikTokもあり、ゼロからスタートできるメディアが既にある。その世界からヒット曲をどんどん生み出しているアーティストさんもたくさんいます。それと同じ考え方で、芸能界の方も、自分を売り出すということをやっていける装置はあるということではないでしょうか。YouTubeの世界でものすごく人気のあるお笑いタレントさんも、いっぱいいるんですよね。

福田:いますよね。だから完コピしていけばいいですね(笑)。そこのエッセンスを掴んで。

馬場:ええ。もう「マスメディアにいかないと!」っていうことも今は考えなくていい時代なんじゃないかなと思うんですよね。

福田:(マスメディアだけになると)かえって対象が曖昧になって、売りにくいのかもしれませんね。奥さんなら奥さんに、シェイバーを売る。そういう切り口は、まずスモールコミュニティのことが分かっている、つまり大衆のライフスタイル、家庭の中のことをまず分からないとできませんよね。

馬場:ピンポイントに刺さるお笑いのネタなど、ニッチなジャンルのしゃべりができれば、刺さる人にはものすごく刺さるわけです。私たちも「しゃべりのプロ」ではあるけれども、お客さんがあまり欲しくないような物をどんなにプレゼンしても、それはやっぱり売れないわけですよね。

福田:じゃあ馬場さんにも、仕事として「これを売ってください」と言われたとしても、どうしても売りにくい物もあるのですか?

馬場:「売りたくない物」があります。

福田:差支えなければ、どういう物は売りたくないか、お聞きしてもいいですか?

馬場:やっぱり、粗悪な物というのはあるわけです。例えば同じデジタルカメラにしても、新品で2~3カ月は使えるけれど、じゃあ半年1年経った時もしっかりと写真が撮れるかどうかというと、うーん…それはちょっと、というような商品も世の中にいっぱいあるんですよね。ネットの世界を見ていただくと、いわゆるゴープロと呼ばれるカメラの類似品が数百円で売っていたりするんです。 私も「本当に写るのかな?」と思って買ってみたら、実際、写りました。4Kできれいに写りました。「いけるじゃん!」と思って、撮影の現場でも使っていたんですけど半年後にまったく写らなくなりました。防水性能がイマイチだったんだと思うんですけど。

福田:やっぱり、安かろう悪かろうというような商品があるってことですね。

馬場:バッテリーの性能がイマイチとか、性能的にイマイチという物があります。だから、やっぱり自分が自信を持って売れる物でなければ売りたくない。そこはブレたくないですね。

福田:ということは、いろいろな商材を持ち込まれた時、自らプロダクトを使って評価をされるわけですね。

馬場:全部使います。自分で使ってみて、「これは本当にお客様にご紹介したい。買っていただいても、自分が後悔しない物だな」と思った物だけを私は喋って紹介したい。そういう思いなんですよね。

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