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「いい絵ってなんだろう」 そう思わせたら、こっちのもの

ブロックチェーン×アートで新時代のイノベーションを起こす Talked.jp

福田:日本人って美術館に行ったとき、「はじめに」のプロローグを必ず読んで、そこから入ろうとしますよね。新聞みたいに頭から読むというか。そこでエスタブリッシュメントに近づこうみたいな。その入り方でもいいんですけど、もうちょっとカジュアルでもいいわけですよね。「家に置くならどの色の絵がきれいかな」でも。そういうふうに自分の感性をリセットするのであれば、フェイクでもリアルでも別に関係ないというか。

施井:全然違う話かもしれないですけど、僕、5年ぐらい前から、「いい絵が描けるノート」というのを開発していまして。世の中の、絵描き用のスケッチブックって、全部真っ白なんですよ。方眼紙とか大学ノートは、きれいに書くための罫線が印刷されているじゃないですか。でも「なんで絵だけ、いい絵が描ける誘導線がないんだろう」って思って。それで近代の名画を分析して、グリーンバーグとか近代の批評家の発言も分析して、その絵に近づけるような線を認知心理学者とコンピュータサイエンティストと組んでいろんな誘導線を入れてっていうノートを作ることをやっています。
それは今まさに福田さんがおっしゃったことに近くて、どんなに完成度の高いノートが出来たとしても結局描いた後に、「いい絵って何だろう」という問いが生まれるわけだから描かせることがすごく重要なんですよね。「いい絵って何だろう」って問いが生まれたら、こっちのものみたいなところもあって。今はそういう時代かなって。

福田「これが本物ですよ」っていうことが、いかに正当性を持っているのか。「本当のウソ」と「本当の本当」の違いは何かを探るのが面白いと思います。偽物の定義がはっきりしないと本物も存在しないわけじゃないですか。そこが面白いところですよね。

施井:そうですね。この話の流れだとブロックチェーンの会社経営者としては矛盾しちゃんですけどね(笑)

福田:ははは(笑)

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