『21世紀は、リビング・イン・スモールコミュニティー』(対談 山口 揚平 氏 × 福田 淳 氏) | Talked.jp

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対談  山口 揚平 × 福田淳

21世紀は、リビング・イン・スモールコミュニティー

福田:東ティモールって、どこにあるんですか?どういう目的で行かれたんですか?

山口:インドネシアの隣にあるんですよ。20年前に独立したんですよね。青年海外協力隊にいる女の子が僕の会社で働いてたんですよ、インターンで。それで、「じゃあ、みんなで行こう」っていうことで。

福田:その発想がもうすごいですね。「じゃあ、みんなで行こう」って決断するまでの短さがすごいですね。

山口:そうですね。僕、8月から10月にかけていろいろ旅して、一つ見えてきた結論が、「21世紀は、リビング・イン・スモールコミュニティーだ」と。「スモールコミュニティーに住みながら、かつグローバルコミュニケーションをもつ」のが重要だと思います。東ティモールには今、本当に何もないんですよ。やる気を出せば、大統領にアポ取れる。「あれ、これ、国作れるな」と思いました。教育制度と法律とその市場と福祉ってやっぱ全部関係しているじゃないですか。それを全部作ったらすごく面白いなと思ったんですよね。  フィンランドだって人口500万人しかいないのに、なんでこんな豊かなんだろうって思うんですよね。岩手県と大して変わんないんですよ。温泉がサウナになっているようなもんじゃないですか。でも全然センスが違いますよっていうことですよね。
あとは、車とか走ってないんですよ。トラムなので、すごく空気がきれいなんですよ。ヘルシンキなんて、ビルも低いし、おしゃれなんですよね。公園ばっかりなんですけども、公園に行って、キノコを取る権利とかを国民がちゃんと憲法に書いてありますから・・。「緑を得る権利」っていうのもあるんですよ。
何が言いたいかっていうと、日本の場合、もう再生は無理なので、ブロックで考えたほうがいいと思っているんです。僕の友人が四国の高松出身なんですが、「四国はイタリアにします」と結婚式で言っていました。「パスタはうどん」で、「地中海が瀬戸内海」だと。福岡は台湾と韓国近いんで、アジアなんですよ。観光に行くと、東北はやっぱり北欧に学ぶことが大きいと思います。北海道は北海道で別にやって、東京圏は人口が3000万人いるので、さっき言ったようにアジアのお墨付き都市になるべきで、僕、次に「日本解散論」っていう本を書こうと考えているんですよ。「日本を助けろ」って言われても無理だけど、個別文化として、それぞれのブロックで幸せになることはできるんですよ。ヘルシンキから多分80キロも離れてない対岸に、エストニア、ラトビア、リトアニアっていうバルト3国っていうのがあって、その中のエストニアにも行ったんです。ロシアから独立したのがわずか数十年前のことで、国を作ったのは30代なんですよ、みんな。ものすごいICT(情報通信技術の総称)の最先端なんですよ。医療情報とかはもう病院で全部でシェアされてるし、Wi-Fiは全部、町中を通ってるし、もう何ていうんですかね、すごい効率的な国になってんですよ。「そっか、国って小さかったらできるんだな」と思ったんですね。
今回ソーシャルデザインをテーマに、ヘルシンキのアールト大学でやったんですけども、デモクラシーっていうのも、結局、隣に責任持つかどうかって・・。なんか原発が福島にあって、それ東京で使っていますとか言うと、もう責任の所在がわかんないじゃないですか。それは駄目で、やっぱり村の中に9000人ぐらいいて、風車があって、太陽光があって、地産地消をやっていて、それぞれ金物屋と病院があって、ここにこう金物屋はもっとでかくなって、3Dプリンターは発展していくのでそこで必要なものは印刷する。
ヨーロッパの今一番のテーマって、ものを作らないことなんです。ものを作るとすごいリサイクリングコストが掛かるから、作らないんですよ。作れば、汚染とかCO2とか問題になるじゃないですか。だから、ものを作らない、ものを消費しない。日本はまだものを作ってますけど、アジアで。でも、いかにものを作らないかっていうことを考えているんですよ。だから、ここに3Dプリンターデータ工場があって、そのデータは世界の他の村とつながっていて、情報と知識とデータはグローバルコミュニケーションなんですよ。だけど、ここの工場で必要な義足とかは、必要なものは全部プリントアウトする、で、使う。

福田:すごいな、それ。