経営者にとって「数字」ほど面白いものはない
福田:面白いですね。秋元さんからは次から次へとアイデアが出ますけど、もともとどういうご性格でそういう発想力がついたのでしょう?
秋元:私はどちらかというと、引いて客観的に考えるタイプなんです。私の今の役割というのは、社会全体のトレンドをキャッチして、一歩早く出してみるということなのかなと。例えば「Twitterのスペースやクラブハウスで週に1時間話しましょう」って、KPI(重要業績評価指標)を落とすと結構、大変で。社内で誰かが手を挙げてやる、とかですと、どこかにしわ寄せがくるような話なので。「自分にしかできないこと」というのを意識してやっているという感じです。
福田:勉強になります。役割をはっきりと、もっと考えてやるっていうことですね。
秋元:そうですね。当たり前のことですけど、人って好きなことや得意なことに寄ってしまうじゃないですか。私はどちらかというと、数字の分析が好きなので、そればっかりずっとやっちゃうんですよね。でもそれって今は、他のメンバーの方ができますし。なので、今私がやるべきことはなんだろうと考えるのは、意識してやっています。
福田:大事ですね。どんなジャンルであれ、経営者で数字が弱いというのは問題だと思います。経営者は数字に強くないと駄目です。僕も、ありとあらゆる数字の分析をしますね。数字って見ているといろいろ新しい発見があったりするので、そこでいろいろ疑問が湧いてくる。僕にとっては「ファイナンスの数字を回す人がいること」が、何のビジネスをやるにおいても絶対です。数字しか見てないし、数字ほど面白いものはないですよ。ご相談を受けるコンサル案件で数字の質問をした時に、自分の会社の資本金が言えない人がいて驚いたこともありました。
秋元:ええ~!!
福田:「それはうちの経理がやっていて……」とか言って。いやいやいや……と思うんですけど。「銀行からいくら借り入れしていますか?」って聞いても答えられないとか。ある意味、社長というのは専門職でしょう。リーダーとして人を惹きつけるとか、いろいろな要素はあるかもしれませんが、「まずは決算書を読めるようにしよう」とか、「お金が足りなかったら集めよう」とか、「銀行から借りよう」「貯まったらどうやって運用するか」とか、やっぱりお金にまつわることがむちゃくちゃ多いわけですよね。そこのアプリケーションに農作物だったり、ゲームが乗っていたりするだけの話なので。僕から言ったら、仮想通貨をやることもいきなり農業やることも本当にイコールなんです。何かでちょっと儲けたら、「麻布十番でバーでもやるか」みたいな発想は全然なくて、取り組むべき課題そのものに関心がある。いい意味での「ゲーム」なんだと思います。