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瞑想で気づく「目線を合わせる」ということ

お寺が改革する”デジタル・ウェルビーイング”の世界   Talked.jp

福田:本当に人間って理解するのに時間がかかります。今の東凌さんの教えも、初めてお会いして1年たってようやく少しわかるレベルです。本質的なこととは、すぐにまわりに伝わらないものですね。僕も長く経営者をやっているので、自分の思いをスタッフやプロジェクトメンバーに伝えたいじゃないですか。でも、繰り返し言い続けるしかなくて。長いことそれをやって、ようやく意志のデリバリーの仕方が分かってくるんですね。だからこういう禅体験を通じて、本質を伝えることをビジネスに活用する人が現れるのが理解できました。シリコンバレーの経営者がマインドフルネスを好む理由は、他力本願ではなくて、自分で気付くプロセスを教えてくれるものだからかなと思ったんですけど。その理解は間違いですか?

伊藤:その観点は、自分もビジネスの世界で一番活用してほしいポイントだったので、福田さんのお話を聞いて今、正直にうれしい気持ちです。「結局、マインドフルネスとか坐禅とかして、どうなるんですか」「それで何が得られるんですか」と聞かれて、「いや何かを得るとかじゃないんです」みたいな問答は、もったいないといいますか……。

福田:それは皮肉な禅問答になりますね。

伊藤:はい。なので私の場合は、そこに落とし込むときは、「コミュニケーションですよ」とお伝えします。伝え方というのは、本当に共感があってこそ伝わるものです。だから、無駄なものをいっぱい足してしまって、人にうまく伝えられない自分に気付いたり、相手がどういうコンディションなのかによって、こちらの言葉の角度を変える工夫をしたり、そういうことの積み重ねだと思うんですよね。その前提としては、まずは大きな意味での目線が合ってないと、伝わらないですよね。どれだけ言葉巧みでも。なので「目線合わせ」というのは、瞑想においてはとても大事なことだと思っています。目線は、もちろん目だけじゃなく、感覚ですよね。

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