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建築を社会と「再接続」する~若きテック系CEOの挑戦とは(前編)   Talked.jp

福田:また少し、秋吉さんの歴史がわかりました。そして今はご自身が経営者としてトップになられて、素晴らしいエンジェル投資の方もつかれて、組織を作っていこうとなって。今、どういう仲間でスタッフィングされているのでしょう。

秋吉:最初のメンバーは、小学校の同級生や高校、大学の後輩とか、今までの人生で出会った人たちですね。

福田:じゃあ、MBAを持っている人をヘッドハンティングしていこうとかは…

秋吉:全くそんなのはなく、友達とか、この人だったら一緒に仕事ができるんじゃないかという人だけ誘いましたね。割とみんな二つ返事で、「いいっすよ」みたいな。むしろ、「なんか面白そう」みたいな反応をもらいましたね。だから初期のメンバーは変わってる人が多いです。アウトローな人たちというか。(サラリーマン的な人は)たぶんまずなじめないですね。指示待ちになってしまっては、まず難しいので。

福田:それはそうですよね。で、秋吉さんがいま手掛けていらっしゃる物件の中で、一番エキサイティングなものというと何でしょう?

秋吉:今、事業は「4階建て」の構造になっています。まず機械を売るというプロジェクトが1階。120台売っている、先述のShopBotですね。で、その機械をつなげるEMARFという事業が2階です。EMARFは機械同士をデータ連携させる、建築設計者向けのクラウドサービスです。印刷を例にすると、ラクスルなどの格安印刷業界では、データをウェブ入稿すると出力されて納品されますよね。それの建築版で、木製品のデータをウェブサイトに入稿すると、120台のShopBotからそれぞれ出力されて届くというサービスをやっています。

福田:なるほど。そこまでが2階。

秋吉:はい。そこまでは僕らがデザインするのではなくて、デザインをする人や作る人が「どうやって製造できるか」までをサポートする段階です。あとはそのプラットフォームの上で、自分たちで商材を作って、流通網に乗っけていくという「3階」を去年から始めて、それが住宅事業なんですけども。その上の「4階」はR&D(研究開発)として特殊建築プロジェクトを行っています。今年4月末に正式ローンチをしたので、今一番エキサイティング、という意味で言うと「3階」部分ですね。事業としては、一番の勝負どころなので。

福田:それはどういう物件の名前なんでしょうか?

秋吉:物件というかNestingという事業名です。僕らのプラットフォームの製造体系でできる住宅のテンプレートがウェブサイト上に上がっています。

福田:秋吉さんのプラットフォームを使って、自由に使える、と。すごいことですね。

秋吉:参考にしているのは電気自動車みたいな話で。モジュールがあってスペックを決めて、もちろんカラーバリエーションもそうだし、最初の設備金額投資によってどれくらいCO2を排出するのか、などもそうですし。あとは大きさとか間取りとか、何を最初に入れるかをカスタマイズできるわけです。こういうデジタル製造技術で可能になる工法を僕らが開発して、その工法の組み合わせを使えばカスタマイズできます、という住宅です。

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