チャレンジ枠だから、なんでもやっちゃう
福田:人の人生が70年だった時、20年学んで、30年働いて、20年隠居でいいんですけど、今は人生100年。ポコッと30年も増えちゃった。てことは、80まで好きなことやっていかなきゃならないのに、日本の制度が60歳で終わってたりします。
柳瀬:老後が長くなった。というかなくなった。だから誰もが、50代前半で自分の人生の第二創業を実践しないといけない(笑)。
福田:やはり柳瀬さんも同じこと考えていましたね。
柳瀬:昔は「40ではもう外出れない」とか「50なんて遅い」っていわれてましたが、もうそれはないですね。
福田:なんせ80で元気な経営者、いっぱいいますからね。
柳瀬:良くも悪くも「引退」できなくなった(笑)
福田:だからこそ、会社の仕事じゃなくて、自分のやりたいことを仕事にする第二の創業が必要なんです。そのために、会社の仕事は退かなきゃ駄目なんですね。でも、きっと居心地いいんでしょうね、会社の仕事って。
柳瀬:必然的に、若い人が入らない。物理的に壊死している感じがすごくしますよ。
福田:でも、柳瀬さんが上司だったり先輩だったりする会社には、絶対勤めたくないな。取られちゃうもん、なんか(笑)。僕はまあまあ若いときに出世したんですよ。アグレッシブな人少なかったんで、自分から上司に「何やっているんですか」って向かっていったら、「おまえ重宝するな」ということで懐刀になれたんですよ。いい人だったからよかった。上司が鋭いと、「おまえ、生意気だな。左遷」ってなっていたかもしれません。
柳瀬:上司のキャラクターが「ひとがいいひと」って大切ですね(笑)。
福田:「ちょっとここにハンコ押しといてください」って言ったら、「おお」って受け入れてくれる人ばっかりだったんです。
柳瀬:素晴らしい(笑)。
福田:良い人ばっかりだった。「君、この喫茶代で成果上がったのかね」とか言う人が上司だったら、多分心折れていました。僕、親にも自分を否定されたことがないぐらい、ずっと甘い所で暮らしてきましてから。この間、後輩の経営者に「福田さん、どうして新しいことばっかり出来るんですか」と聞かれたので、逆に「なんで新しいことできないの?」って返したら、「お母さんが厳しくて、ちっちゃいときから新しいことするなって言われてきたんです」って。
柳瀬:なるほど。枠にはまっちゃう。
福田:僕、次男でチャレンジ枠だから、なんでもやっちゃう。うちの父は皮肉っぽいというか、このボタンを押したら腕が切れちゃうというような場面でも「やってみな」って言うんです。すると「大丈夫かな、腕切れちゃうかもしれない。怖いからやらないでおこうかな」と自分で考えるようになる。何でも「やれやれ」言われ続けると、僕のような人間になるわけです(笑)。長々すみません。ありがとうございました。
(了)