難アンダーウェアで LGBTQの境界線を越えていく
福田:万美さんここにきて急にLGBTQの友達と一緒にブランドを立ち上げようなんて、相当ユニークですよね。ブランドとして表現したいことありますか?
万美:ゆくゆくはファッションショーとか、ドラッグ・クィーンのショーとか。日本も二丁目とかでは、そういうイベントをやってるんですよ。でももっと違う場所…それこそ、東京ガールズコレクションみたいなところで、いろんな国のジェンダーフリーなショーができたらいいなって思います。
福田:おもしろいと思います。そろそろまとめなんですけど、ブランドはまずネットショップで?
万美:はい。最初はネットからなんですけど、やっぱりニューヨークのショップに置いてもらいたいのでその交渉も始めています。ジェンダーレスの下着というと、「Tバックでしょ?」って思われるんですけど、私たちのブランドはブリーフとトランクスだけで、女の子も履けるデザインです。そこで難しいのが「二丁目」的なイメージからの脱却ですね。ニューヨークに行くと、もうゴリゴリの鎖みたいなのとか、縄とか、紐…みたいな。
福田:なんか、そういうイメージがつきまとっちゃってはいますよね。
万美:その境目をなくすことが、私の仕事だと思うんです。そういう境界線とかをなくしたいだけなので。だからニューヨークはストリートブランドというか、普通のお店にも、ゲイブランドにも、どっちにも置いてもらおうと思っています。今、周りの人たちに本当にいろいろ、助けていただいていて。
福田:おもしろいですね。グラビアという仕事でいろいろトライしてきた人が、いろんな人種だとか、性的エコノミーだとかもしかしたら宗教とか、境界線を取っ払う役目を担ってるんだという。万美さんにとってのこれまでのプロセスは、その境遇に気付く旅だということなんでしょうね。自由な小学校とか、中高の「四天王」とか、芸能の壁とか。転機の時に、目指すものの視点をすごく高く持てたことが、すごく良かったんですね。
万美:そうですね。この1年で、本当にそこを実感しました。これまでほとんど勉強もしてこなくて、本もあまり読んでこなかったんですけども、今はいろいろLGBTQ関連の本を読んだり、人に会ったり。そうすればするほど、「何で?何で?」って、小学生みたいな気持ちで人と会えるので、そこも最近ポジティブですね。何でも聞くと、その道のプロの方が、教えてくれる。
福田:歳をとってもわかんないことだらけですよ。今日は、本当にありがとうございました。
万美:こちらこそ、ありがとうございました! 自分の武器、裸と下着で世界を変えたいと思います。
福田:僕に出来ることがあれば応援しますし、これからの万美さんの活動、楽しみです。
(了)
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