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若いうちは、働くもんじゃない

沖縄離島「世捨て人」として生きた"じょうぐちはるお"の人生哲学。   Talked.jp

ジョージは、先述した波乱万丈な人生ドラマを経て、マグロ漁船で働いた。「そこで稼いでいた時は、学校の校長先生の給料の平均が11ドルくらいだとすると、自分は70ドルくらいもらっていたよ。那覇の街で、両方のポケットの中にウイスキーを二本入れて飲み歩いて遊んで。そういう豪遊は、もう全部やったんだ」 溶接の腕に長けていて、米軍にも雇われていたことがあるジョージは、きっとお金を稼ぐスキルはあったのだろう。それで充分稼ぎ、生きていくこともできたはずなのに、なぜすべてを捨てようと決めたのか。なぜお金という対価を得ること自体をやめてしまったのか。私がジョージについて、一番関心を持ったのはそこだった。
ノーリーがジョージから聞いたのは、こんな言葉だったという。
「遺言と言うか…。ジョージさんはずっと、“自然に帰りたい”って言っていましたね。“オレは死んだら、ここのビーチの砂になる”って。僕は、ジョージさんは自然と調和したかったんじゃないのかなと思っています」

身内もおらず、失うものもない。もう、お金に縛られることなく、気ままに暮らせたらいい。そして最後に自然に帰ればいい、と思ったのだろうか。
「オレに対してはしきりに、“若いうちは働くもんじゃない”って言ってましたね」。それは、こういうことらしい。「例えば男女4人くらいで、この島に住んだとする。週に1~2度くらい、街に出て働きに行けば、もうそれだけで君たちの必要な物は全部手に入る。だから、そんなに時間を使って働くもんじゃないよ」

面白い。だってジョージの言うことは全部、多くの「普通の人」たちが考えることの逆じゃないか。

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