『21世紀は、リビング・イン・スモールコミュニティー』(対談 山口 揚平 氏 × 福田 淳 氏) | Talked.jp

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対談  山口 揚平 × 福田淳

横社会が縦社会化する

山口:前に、福田さんは(バブル時代の)キャリアについて、金、女、出世っておっしゃったじゃないですか。僕の場合、一つは、グローバル・レピュテイション(世界的評判)なんですよ。これは、もう僕の世代は必須で、ICTによって、たとえFacebookがなくなったとしても、そういうヨコのネットワークの可視化、社会的ネットワークの可視化は続くんですよね。つまり、全員が「上場」している世界になっていく。だから、みんなプロフィールはきれいに撮らなきゃいけないし、顔からシミ取んなきゃいけない。今の時代、芸能人と一般人の境界もないじゃないですか。

福田:ないですね。

山口:ということは、横社会が縦社会化、序列化しているんですよ。横社会なのに序列化しているんですよ。これって、別にお金があるないよりもっと恐ろしいことで、しかもこれが世界につながってるので・・・。

福田:アイスバケットチャレンジがまさにそうですよね。

山口:そうです。アイスバケツチャレンジは、横の序列化のオーディションだったんです。僕は世界は3層化しているって言っているんですけど、あえて2層で言うと、一つは紐帯っていって、ネットワークが世界を覆っていて、個人がこうつながった世界、もう一つは、いわゆるネーション・ステイト・・国家ってやつですね。ただ、もう国家、ネーション・ステイトは実質的に破綻し、さっき言ったスモールコミュニティーになっていくと思っているんです。でも、その一方で、ネットワーク社会は完全にグローバルにつながるはずなんですよ。これは、横社会の基本なので、僕らの生き残りとしては、この二つ持ってなきゃいけないんですよ。スモールコミュニティーの中での立ち位置、これは例えば人口10万人だと思いますけども、その数千人から10万人の地に足が付いた、その個別の村の共和国の中でのポジションが必要だっていうことが1個と、なので、頭のいい人は直感して、例えば、カヤックの柳澤さんだったら、鎌倉を牛耳ろうと思ってるし(笑)、イケダハヤトだって、高知に行きましたけど、スモールコミュニティーの中でポジションを取んなきゃいけないっていうことと、グローバルコミュニケーションの中で、グローバルレプテイションが必要だっていう、この二つを両立させなきゃいけないことがわかっている。両立させることが新しいキャリアビジョンになってる気がしますね。
で、やっぱり、ボス猿はやりたい放題なんですよ。結局、その村の中でいっぱい子ども作っちゃうんですよ。でも、それはコミュニティーが子ども育てるので、そういうふうな立ち位置になりますよね。だけど、これが閉鎖的なものにならないためには、グローバルコミュニケーションの中での序列があって、やっぱり、その序列の中の上にいる必要がある。さっきの村の3Dプリンターっていうか、マニファクチャリングファクトリーに対して、データが送られてこなくなったら終わります。

福田:今、あえて2層で説明してくださったコンセプトって、その一番のインフラとしての準備が整ってるのは、やっぱり女性ですね。というのは、20代の女性のお小遣いの衣食住のぞいたものを分析すると、2大使っているものって、スマホの利用料金とライブエンターテインメントに行くことなんですよ。つまり、これ、ちょっと話それるんですけど、テレビ局が、「俺たち60年ぐらいテレビ局やっててさ、いっぱいテレビ番組の著作権とかあんだよね。だから、このオンデマンド時代になっても全然生きていける」みたいな話しますが、実は生きていけないんですよ。というのも、若者にとっては、ライブラリーって価値がなくて、ライブに価値がある。だから、ニコ生に入るんですよね。

山口:そうですよね。

福田:そんな昔のものに価値があったら、携帯代に幾らも払いませんわね。だから、やっぱり、つながり感なんですよ。ライブ感というか、ネットがあることによる横のつながりの深さと広がりみたいなものは、広がっていく一方ですよね、きっと。それにしても、話があちこちいきましたね。山口さん、最高に面白いですね。

山口:いや、福田さんの話が面白かったんですよ。

福田:僕は大した話していませんよ。実は、意外と共通の友達が多いことにもビックリしました。やっぱり、山口さん、絵の個展もやったほうがいいですね。今度、ぜひ絵を見せてくださいよ。

山口:そっか、これから10年ぐらいかけて頑張ろう。あと、絶対に何とかして、東京をアートの世界的な町にしたいです。やっぱり、アジアの留学生は上海とかシンガポールじゃなくて、日本に来るっていうふうにはしたいですね。


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