logo

地方から小さい単位で変えていく

この10年が面白い! Z世代が日本を変える日

福田:東京って大きくて分散していて、これだけの大都会って、なかなか世界でもないですよね。人口増に伴う食糧危機、温暖化による地球の崩壊など破綻していく未来に対して、その危機感をちゃんと反映させるようなパラダイムシフトが起きてほしい。でも、何もできなかった絶望の期間が長すぎて、どうやってここを直すのか、どこから手を付けたらいいのか、というところに対する世代間の認識の格差はやっぱり埋められない。だから今回のようなリオさんとの対談は、自分もどうしたらいいのかなということを考えるきっかけにもなります。

コミンズ:ありがとうございます。でも、相当先のことを考えている方なんじゃないですか? 福田さんは。

福田:僕が今考えているのは、やっぱり「世の中の仕組み」とか「社会構造」のことですね。民主主義はひとつの実験ではあるかもしれないけど、それが正しいやり方かどうかはわからない。といって、別に独裁がいいっていうわけでもない。だからやっぱり、新しい政治システムを模索しなきゃいけない。よく「一票の重み」なんて言うけど、一票をもっと分解して、政策ごとに投票できるようなシステムを作らない限り、やっぱりポピュリズムになっちゃうと思うんです。だからって、政治システムそのものを変えるために強力な権力を作ろうとすると、下手すると、もっとおかしなほうに行っちゃう。だから、小さな地方ユニットでやっていくのがいいなと思っているんです。僕が今、沖縄で農業やリゾートの仕事を手掛けている背景には、そういう考えがあるからなんですよね。

コミンズ:面白いですね!

福田:今回のコロナでも、国があんまり地方に権限を渡していない感じが、なんとなく透けて見えるんですけど、「まん延防止等重点措置」で初めて、「知事に権限を渡しますよ」って、クリアに言ってくれたわけ。その点ではちょっといいなと思っています。

コミンズ:そうですね、確かに。政府からトップダウンでは初めてですもんね。

福田:センターコントロールから、仮想通貨じゃないけど、分散型の国家へ。

コミンズ:それこそ一種のブロックチェーンですね(笑)

福田:地方に素晴らしい知事が、いっぱいいらっしゃるんですよ。島根県の丸山達也知事とかね。東京でコロナの感染者が増えていることから、県民の近親者の命を守るとして、基礎疾患がある人の一時避難的帰省を具体的に支援(*5)したんですよね。だから、力のあるいい知事は、自分で他国と交渉して、いいワクチンを輸入してもいいじゃん、と思ったりして。というふうにしていくと、「国ってなんだ?」ってことになる。結局は、税金と縄張りだけなんですよ。例えば初任給も、「あれ? 手取りこれだけ?」ってなりますよね。つまり、日本の場合は勝手にトップオフで税金引かれているから、自分で払っている感覚もないわけ。あれはね、戦時中の戦費調達のための法制がずっと続いているわけ。だから僕は、まず「納税の権利を個人に戻せ」と言いたい。申告に行けば、税金を収めている感があるじゃないですか。そうすれば国に対しても、「オレは年間何十万円も払っているから言う権利がある」ってなるじゃない。でも今はトップオフされて、手取りだけ支払われるから、政治に対する無関心が続くわけですよ。

コミンズ:そうですね。「まあ仕方がない」で終わりますもんね。

福田:だからこの戦中・戦後は、税制と分散型の地方自治を作ることで変えられると思うけど、言うは易く、行うは難し、ですね、やっぱり。だからまずは、沖縄県とか、県単位でやっていくのが面白いかな。Z世代の人が何かを変えようと思ったら、やっぱり町議選、市議選、県議員選じゃないかな、と思います。

コミンズ:同感です。ローカルポリティシャンですよね、一番重要なのは。本当に国を変えるなら、当たり前ですが、いっぺんに動かすのは無理なんですよ。しかも日本は、一応GDP3位の経済規模。なので小さい例をたくさん、具体的に作ってやっていくのは、おっしゃる通り有効だと思いますね。

福田:僕は町議会選のポスターとかで、「子どもに未来を」とかって、ふわっと書いてる人に票を入れようと思えないんですよ。「そこのドブ川はどうして滞留するのか?」とか、「給食費を払えない家庭をどうするのか?」っていう、具体的な問題をさっきの草の根活動の話みたいに、徹底的に熟議してくれる人が当選してほしい。「子どもに未来を」とかって、そんな大雑把なビジョンじゃなくて、知りたいのは戦術なんです。そのレベルを追求していかないと。一国の首相がホワイトハウスに出向いても、ニューヨークから来てくれないようなファイザーの社長から、「日本のワクチンを確保しました!」って言われても、なんか具体性がないなと思ってしまうよね。どんなレベルでも、ふわっとした仕事の仕方だとダメです。

(*5)対象は東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県に居住し、慢性の呼吸器や心臓の病気などの基礎疾患があり、島根県民の1親等または2親等に当たる親族。帰省直後6泊7日から13泊14日、ホテルなどに宿泊する費用について、県が1泊当たり半額(上限5000円)を補助する内容。

TOPへ