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コンテンツプロデュースの秘訣教えます Talked.jp

福田:今、真木さんが何かをプロデュースするとしたら、出資は昔からいる理解のある人たちと、プラス海外からも引っ張ってくることを意識するのですか。

真木:もう半分以上海外だよ。

福田:そうですか。そうすると今からコンテンツプロデュースを目指す人は、ある程度国際性がないとダメ?

真木:国際性と、あとは金融感覚だね。コンテンツって金融商品ですからね。

福田:なんだかものすごく意外な言葉が出ましたね。

真木:いや、ものすごくわかりやすく、金融商品ですよ。なぜなら投資と回収があるから。明らかに金融商品でしょ? で、コンテンツを金融商品として捉えた時に、コンテンツプロデューサーの役割は、投資家に対しての利益の最大化を図ることですよね。利益を最大化するためには、いい作品を作るのは当たり前だし、コストパフォーマンスも測らないといけない。それからライツについてもちゃんとわかっていないといけない。ライツをコントロールしてお金に変えるのがコンテンツビジネスだからね。そして銀行や証券会社みたいに、数字の透明さも確保しなければいけない。でも今の製作委員会って透明性なんてまるでなくて、詐欺みたいなものなんだよね(笑)。

福田:詐欺ってことはないでしょうけど(笑)、ブラックボックスがあると。

真木:むちゃくちゃある。トップオフ(*2)って形で、何だかわからない経費がもぐりこんでいる。

福田:それでいつまでたってもリターン(回収)がないっていう話は確かに聞きますけどね。でも普通そんなことやっていたら……。

真木:これまでは普通じゃない世界だったから(笑)。 メディアのウィンドウについても考える余地があると思う。たとえば映画が最初のウィンドウだって言っても、映画館のない地域もある。『この世界の片隅に』も、僕の田舎には映画館がないから観られないんだよ。親戚に観ろって言っても「おじさん(映画)やってないよ」みたいな話になるわけだよ(笑)。でも映画館のない地域の人たちも、配信だったら見られるでしょ? そう考えるとウィンドウって一体何のためにあるのって。
結局ウィンドウっていうのは、メディアプレーヤーの保護のためにあるわけだ。ぜんぜんユーザーのためじゃない。ユーザーのためを考えれば、映画と配信の両方を同時にやった方がいいんだよね。映画館のない地域でも見られるし、映画館に行けない高齢者とか、小さな子どもがいる人とか、身体を悪くしている人とかでも観られるし。 そういったことも考えながら、最初の話に戻ると、プロデューサーはやっぱり新しいメディアやメディアの変化に敏感でなきゃいけないですよね。コンテンツでお金を稼ぐっていう面から考えてもね。

(*1)(株)ジェンコは2017年3月に設立20周年を迎えた
(*2) 映画などにおいて、精算時に宣伝費等の必要経費を興収からあらかじめ差し引くこと

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