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ソーシャルメディアをやりたがる方の人の心理とは?

質疑④
私はあまりソーシャルメディアをやってない化石化した人間ですが、ソーシャルメディアをやりたがる方の人の心理とはどういうものなのか、教えていただきたいです。それが一過性のものなのか、いつぐらいまで続くとお考えになられているか。

福田:『ハウス・オブ・カード』というテレビシリーズがありまして。若い女性記者が、上司の編集長に自分のネタを全然取り扱ってもらえずに暴言を吐かれるシーンがあるんですね。コーナーに追い詰められた記者がスマホを片手に、「あなたが今言ったこと、すぐTwitterに出しますからね」と言ったら、その上司は何のことかさっぱりわからず「おまえクビだ」と。それをそのままTwitterに出したら、その上司がクビになっちゃうんですよ。今まではそんなことはできなかったのに、ソーシャルメディアを通じて、個人がメディアを持つ快感、高揚感を覚えるようになったんだと思います。

話が変わりますが、不倫の報道が、去年に比べて30倍になったっていう分析ブログが今週話題になっています。不倫って、別に犯罪じゃないんですよ。女優さんがコンビニで弁当を万引したら犯罪ですよね。これについてはそれほど報道されないのに、不倫すると、「説明責任を果たしていない」と叩かれるご時世ですね。何の説明をしなきゃいけないんだと疑問なんですが。報道の切り口のほとんどが、「ネットで炎上して騒がれています」というところに端を発している。恐らく、個人がメディアを持ったことによる快感の余韻に、テレビが乗っかっているだけじゃないかと感じています。昔、「ミーイズム」なんて言葉がありましたけど、個人が情報を発信するトレンドは、そう変わらないと思います。「ネットに書かれていることなんか、気にしていられるか」と言われるかもしれませんが、ネット社会が現実にフィードバックするのも事実なので。

アメリカの大統領選のときにも、「Facebookのフェイクニュースを信じた中学生が8割もいる」という問題がありました。ソーシャルメディアというのは、報道機関なのか、コミュニティーなのか。報道機関なら、ちゃんと真意を確かめろというわけですね。国会議員の不倫報道でも、別にかばうわけではありませんが、「男女の関係ありません」と言ってるし、そんな写真も出ていないのに、一体何日同じような報道をしているんだろうと思います。報道被害ですよね。あれそのものがフェイクニュースだと思います。ソーシャルメディアができてまだ数年ですから、メディアリテラシーを学んで、ちゃんと若者に教育していかなければいけない分野なのかもしれません。そして一方のSNSのユーザーには、「自分はフジテレビぐらいの大きなメディアを持っている」という感覚でやっている方が増えている状況といえるかもしれません。

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