logo

フラクタルな活動の中に、 「キラリ」と光るものを

ソーシャルメディア時代だからこそ、「極め人」より「フラクタル」 Talked.jp

福田:絵美ちゃんは、今年は「Satellite Young」の活動が中心になっていくのかな。

草野:「Satellite Young」ももちろんやっていくんですが、自分が思っているマス文化へのオマージュと、現代テクノロジーに感じる未来のSF的世界観を、ものづくりを通して拡張していきたいですね。あと今年はアートに挑戦したいです。

福田:最後になったけど、「Satellite Young」はどういうファン層にリーチしているの?

草野:往年のアイドルを懐かしむ世代や歌謡曲好きの若者がコア層ですが、北米のアニメファンとか、ネットレーベルから知った音楽マニアとか。

福田:グローバルだね。

草野:今年、「Satellite Young」のアニメが公開されたんですけど、私が主役の声優を担当しているんです。監視社会と私が戦うストーリーで。22歳のスウェーデン人の若者が作ってくれました。エリック・ブラッドフォードというアニメーション作家(*19)。

福田:コラボがすごいよね。いつもどこからどうやって、そういうクリエイターと知り合うんだろうって。「サウス・バイ・サウスウエストに行きたい」って言ってたのは知ってたけど、あの時僕も行ったら現地に絵美ちゃんがすでにいて、「スポンサーを見つけてきました」って。何かをやろうとする時の実現する力、行動力が半端ないよね。

草野:ありがとうございます。棚ぼたが特技です。実力じゃない(笑)。

福田:僕、全然アドバイスでもないし、偉そうなこと言えないんだけどね。去年、自分が創業した会社から独立した時に、みんな「引退ですか」とか「体調悪いんですか」とか、勝手なことを言うじゃない(笑)。で、そこで「いや、オレはこれだけの実績がある男だ!」とかアピールするのはもっとも虚しくて、でも50代がやりがちなことなわけ。それはもうね、知ってる人は知っているけれど、ググれば分かるからいい、と。「自分はこれをやります」っていう、全体の計画の中の1個だけ、キラッと光るもの。ただそれをさらっと見せると、それがいちばんのブランディングになるから。僕ら、それなりにエネルギーあるから、たくさんのことやっちゃうんだけど、それを全部説明したら、3個目ぐらいで全員が全部忘れるっていうスイッチが入るんで(笑)。活動はフラクタルで素晴らしいけど、常になにか1個だけ、シュっと言っておとくといいかな。

草野:なるほど。

福田:くり返しになるけど。さっきの「あちこちに相談したけど、全部違う」って言われた時にね、そこで心折れるんじゃなくて、「自分は自分のしたいことをしよう」っていうのは、バブルとかミレニアルズとか世代は関係なく、真理なんだよね。そうやってきた人が、大体において明るく活動しているから、注目も集まるんだよね。

草野:ありがとうございます。これからも、いろいろと助言いただけると嬉しいです。

福田:僕でよければ、いつでも言ってください。今日はありがとうございました。Netflixの番組とか、いっぱいリコメンドもらってまた宿題が増えた(笑)。

草野:ぜひ観て、感想聞かせてほしいです!

(*19)日本のアニメーション愛好家であるスウェーデン在住の男女ユニット「makebabys」のひとり。学園ラブコメのウェブアニメーション『せんぱいクラブ』の制作で知られる。日本語版DVDはポニーキャニオンより発売中。

(了)

TOPへ