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「熱量で動かす」というスタイル

誰よりも早く、世界の未来図を知る  Talked.jp

福田:お話を伺うと、小林さんは昔からずっと変わっていないんですね(笑)。やっぱり、自分が冒険者であって、発見者であるということでしょうね。

小林:う~ん、どうなんでしょう……。

福田:そう思ってやってらっしゃらないかもしれませんけどね。結果として、そうなっちゃう。

小林:そうですね。みんな、ビジネスをする際は、「アドバンスを払って」「ロイヤリティはこうで」「エージェントを噛まして」というような流れでやるじゃないですか。でも、もう直接行って、「自分はこれがすごい好きだから、めっちゃやりたい」と。『ワイアード』も『ギズモード』も、日本でちゃんと理解した上でやれたのは、たぶんそのスタイルだったからですね。理解というのは内容理解だけじゃなくて、「そのスタイル、アチチュードを理解した上で日本でそれを体現できるのは、自分だけだと思う」という話をします。実は本気でそう思っているので、パワーポイントを駆使したプレゼントとかはしません。話すだけ。「ほかの会社がやったらもっと部分的にはうまくやれるだろうけど、このプロジェクトのいちばんの根っこの部分が変わってしまう。いちばんの理解者は自分」という話をして、まるで求愛みたいですよね(笑)。つきあうなら自分がいいよというラブコールです。そして、ビジネスと関係のないお話とかして、僕自身も理解してもらう。「よっしゃ、じゃあやろうか」みたいな。で、そのあとで「金額とかどうしよう?」みたいな話が決まってくるという運びでやってきたから、僕としてはビジネスをしている気分ではないんですよ。だから「小林さん、次は何を取ってくるんですか?」って言われると、「いやいや、僕はべつに商社じゃないです」みたいな(笑)

福田:よくわかりますよ。

小林:何か取ってくるっていう考えはなくて。例えば「TOA」という、ベルリンのテックカンファレンスがあるんですが、それはたまたまTOAのピッチ(短時間のプレゼンテーション)を受けたからなんですね。正直、その日は一日中ピッチを聴きすぎたのもあって、実はピンときてなかったんです。でもあとで、突然いろんなことが繋がったという……。

福田:ありますよね。わかります! その時、なぜそのことについて深く理解できないのかっていうこと、多いですよね。

小林:多いです、多いです。

福田:これだけそういうことばっかりやっているのに、それでもわからなかったりしますよね。まあ、本当にわけわからないピッチを受けることも多いですけども。

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