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中国の個人情報事情~②

AI姉さんに学ぶ! 中国デジタル事情  Talked.jp

福田:中国政府がみんなからIDを取ったみたいに思われますが、あれは買い物でディスカウントしてほしいから、自分から出しているんですよね。

國本:おっしゃるとおりです。顔認証の精度を高めるにしても、学習させるための顔のデータが必要です。中国のある地方ではまだ貧困の差が激しいので、自分の顔写真のデータを提供して、それを元に物品をもらう、みたいなことは普通に起こっていますね。情報自体が自分の資産であり、売り物にもなっているという。

福田:臓器を売る時代ではなくて、自分の顔データを。たしかに、海外に行く予定がない中国の人だったら、「オレのID、パスポート使ってくれたらいいさ」って思う人もいるかも知れませんよね。個人の了承を得ないといけませんが、僕も、店舗を経営してる人にはAI顔認証を勧めています。どんな人が何時に来たかっていうデータたけでも商売に結びつけられます。
今後、顔認証はどう生かせばいいでしょうね。

國本:簡単なところでいうと、性別や、どういう属性の人がよく来て、どういうものを買うのか、商品を一度手に取ったけれど戻したのはどういう時か、店舗などでのマーケティングでは、そのようなデータを取ることで、より精緻にマーケ施策を実施できるところはありますよね。中国の無人店舗が流行った理由は、実は無人を増やしたいからではなく、お客さんのデータを取りたかったからと言われています。

福田:どうやってデータを取っているんですか? 映像で映しているんでしょうか?

國本:はい、店舗の中のカメラの映像でデータを取得しています。

福田:その人の動きと、この商品はここに置いてあるよっていうのと、合体させてやっていくんですか。

國本:やり方はいろいろありまして。まず画像認識、センサーカメラ、あとは重量センサーですね。精度を上げるために、RFIDでやっていたりもします。

福田:先日、読売新聞社に打ち合わせに行って食堂でランチを食べたんですけど、好きな惣菜を取っていいんですよ。それでキャッシャーに行くと、「はい、860円」とか。お皿にICチップがついていて、ある値段設定があるんでしょうね。考えてみたら簡単なんですけど。ただ、来店したお客さんと紐付けて、「これは取ったけど戻した」みたいなところも解析しちゃうわけですね。

國本:そうですね、また、個人の顔認証とIDを結びつけて、自動で決済を行うことも中国では行われています。

福田:完全に登録されていて、分かっている前提ですね。

國本:完全に個人のIDや過去データが蓄積されていくと、その人にとって何が一番いいのかをリコメンドできるんですね。例えば、福田さんは、もう毎回これを頼むとデータが残っています。すると、次回「これもいかがですか? 新商品です」って言うのがどんどん売り出される。

福田:例えば食品でも、「この商品しか買わない」っていう人は、そればかりですよね。そこで、お客様が自分のIDをメーカーに出せるようにならないと、企業もマーケティングにならない。新商品が出た時、「あなたのお買い物履歴からおすすめがあります」みたいなね。だからサブスクモデルになると、お客の選択肢も広がるし、メーカー側にとってはブランドロイヤリティーが高まる。
そこで、ちょっとプリミティブなところ戻るんですけど、「どうしてお客さんのデータを取らなきゃいけないんですか?」 っていう質問をしてくる人が、企業でも未だに結構いるんですよ……。古いExcelデータばっかりあって、これどうやって活用するんですか?というような人、経営者に対しては、どう分かりやすい言葉を投げかけるんでしょうか?  …今、対談っていうよりも勉強になってますけど(笑)。

國本:いえいえ(笑)。

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