出身地の村に、恩返しがしたい
福田:今後の抱負は、映画出演だけですか。
リーナ:あとは…。本当にたくさんのご縁があって、素敵な出会いがあるので…恩返しがしたいなと思っています。
福田:へぇ~! すごいコンセプトを持っておられましたね。
リーナ:それは、ずっとあって。1人では絶対に何もできないし、こんな田舎から出てきたペーペーが……。
福田:ペーペー(笑) また面白いね、その捉え方が。
リーナ:はい(笑) ペーペーがこうやって運だけでオーディションでグランプリを獲ってこの世界に入って……。まだまだやりたいことはたくさんあるけど、「ありがとう」ということを伝えつつ、人生を締めくくろうかなと思っています。私が育った村はまだ貧しくて、下水道がないんですよ。だからそういう生活のインフラを整えることに貢献したい。 以前、私の中国の田舎出身というプロフィールを「TVタックル」さんの番組で取り上げていただいて、実際村に取材に来られたんですよ。
福田:すごいね~ クルーはどうやって行ったんですか?
リーナ:その時は、北京空港から高速道路で8時間くらい走って。
福田:8時間!
リーナ:結局、上海のディレクターさんと、北京のカメラマンさん2人、計3人で村に来たので、村にはまだ、日本人は入ったことがないんです。でも、とはいえ撮影クルーは都会育ちの方だったので、村の環境はシビアに映ったようです。あの、トイレがないんですよ。
福田:ああ~。なるほど。
リーナ:トイレは、煉瓦を2つ並べて真ん中に……という方式です。排泄物が貯まったら、それは肥料として使うサイクルなので。
福田:エコシステムができているわけね。
リーナ:そうです、そうです。でも不思議な事に中国の「あるある」なんですけど、井戸水のシステムがまだ続いている中、Wi-Fiが飛んでいたり、電気自動車だったりするんですよね。だからそういうギャップがすごく面白くて。
福田:アナログとデジタルを行ったり来たりして、凸凹している、と。
リーナ:凸凹している。だから真ん中がすっぽり抜けるような文化があったり。以前、村の結婚式の映像が送られてきたんですけど、馬に乗ってシャンシャン踊りながら、音楽を鳴らしながら、みんなで村を練り歩いている光景を見て、「なんて素敵な文化なんだろう」と思いました。
福田:きっとそこで育った幼少期の期間が、リーナの細胞を作ったんですね。
リーナ:それは、そう思いますね。ハッピーオーラ全開の村ですから。
福田:今日は「talked」シリーズ初めての映像版で、リーナに来てもらってよかった。なんか神々しいというか、生まれ育った環境で培われた素晴らしさに触れたような気がしました。自分なんか、こんな粗削りじゃダメだなと思います。
リーナ:いや、私も粗削りです、粗削り(笑)
福田:これからも頑張ってください! 僕も頑張りますよ!
リーナ:はい、頑張ります! ありがとうございます。
(了)
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