ゲーム漬けだった幼少期
福田:ところで成嶋さんは、どんな少年時代だったんですか? 何がきっかけで、そんなアイデアマンになっちゃったんですか?
成嶋:これが、ずっとゲームをやっていたんですよ。朝から晩までずっとゲームをやっていて。いろんなゲームの大会で優勝したり、日本一になったりしていました。
福田:そこまでいっちゃうんですね。どんなゲームで日本一になったんですか?
成嶋:ストリートファイターなどの格闘ゲームとか……。あと、UFOキャッチャーも、たぶん1万個ぐらい取っていたり。メダルゲームも3歳ぐらいからやっていましたね。3歳のときに脱衣麻雀とかやっていて、アルファベットを覚えました。でもNまでしかわからなかった。麻雀ゲームは13牌(パイ)でコントロールのボタンがNまであって、Nがツモ牌で、それで覚えたのでそれ以降のアルファベットはわからなかったんです。今思えば怪しい、そんな幼少期でしたね。
福田:それ、すごい幼少期ですね(笑)。もともと、好奇心がすごい旺盛な血筋なんですね。
成嶋:昔、ゲームセンターは「ヤンキーが行くところ」みたいな感じで、補導されちゃうとかありましたよね。まさか30年後に、そのゲームがスポーツになってオリンピック種目になるかもなんて、どう天地がひっくり返ってもありえないんですけど、そういうことが現実に起きるわけですよね。だからそこだなあと思って。格闘ゲームだと、どうやって人を倒すとかなんとかって、私は人より長くやっていて、長くやっているけど、飽きないわけじゃないですか。だからもう最終的にはチューニングがおかしくて。楽しんでいるポイントがおかしいんですよ。例えば、ジャンプキックしてきたのを、「しゃがみパンチで落とす!」みたいな。「この打点だったらいける」みたいのがあるんですよ。
福田:決められたルールの中で、新しいクリエーションを見つける、みたいな?
成嶋:そのピンポイントで当てられると気持ちいい、みたいな。追いかけっこなんかもやって遊びましたけど、だんだん飽きちゃうじゃないですか。だから、「じゃあ鬼2人にしよう」とか、ルールをつけて飽きないようにやりますよね。それをずっとやっていて、今も飽きないように、「じゃあ、こうすればいいんじゃない」みたいな感覚が、もしかしたら続いているのかもしれないです。