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プラ子、旅する。アフリカ行って幸せ力ついた![後編]

栗山 さやか 氏

元109のショップ店員。現在はモザンビークで女性や子供たちへの教育を支援する協会“アシャンテママ”で活動中。
また、現地の国立医療学校を卒業し、医療技術師の資格を取得。2015年3月よりモザンビーク北部の病院で勤務開始予定。

福田 淳 氏

実業家。ソニー・デジタル エンタテインメント 社長。
1965年生まれ、日本大学芸術学部卒。ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントでアニメチャンネル「アニマックス」など多数のニューメディア立ち上げに関わる。

構成:福田千津子 撮影:越間有紀子

2015年1月8日(木)

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プラ子、旅する。アフリカ行って幸せ力ついた![前編]

生きているだけでいい

福田:ちょっと聞きにくいですけど、やっぱり生きているからには裏切りとかそういうこともあるんでしょうか。

栗山:もちろんもう、いっぱいだまされました。

福田:それでもめげない?

栗山:そういうものだなって・・。みんなだまされているし、みんな襲われているし、みんなそうだからっていう。

福田:でも、その自分が持っている力っていうか、力強さはどっから来たんですか。だって結構孤立無縁な感じするじゃないですか。僕だったらもう耐えられないと思う。南アフリカまでも行かないで、すぐさまエチオピアから直帰しちゃう。

栗山:何だろう。いろいろやっぱあるじゃないですか、日本は別の国に外国人としているわけだし。多分どこの国にもあると思うんですけど、エチオピアでももっと大変な人はいっぱいいたし、たくさんの人が亡くなっちゃったし、それに比べたら全然大したことじゃないなと。最後は、まだ生きているだけいっか、もう生きているだけでいっか、ってなりますね。

福田:僕はあるとき、ふと想像したことがあったんですよ。栗山さやかさんっていう人はきっと日本に戻ってこないと。そしてモザンビークで殺されてしまうに違いないと。そう思っちゃったんですよ。自分が親の立場で考えたら。

栗山:親に対しては本当にもう親不孝で申し訳ないなと思いますね。

福田:さやかさんは帰る気ないんだと。洋子さんと二人でさやかさんのこと心配していたんですよ。「誰か助けてくれる日本の人はいるのかしら」「どうだろうね」って、そういう会話は何百回となくしてたんですよ。

栗山:今は私の住んでいる町、日本の方が時々いらっしゃっているんですね。でも、昔、数年前までは本当に日本の方に会えなくて2年に1回日本大使館にたどり着いたときに、日本の人に久しぶりに会えたとか。本当に会わなかったですね。

安部首相の訪問

福田:でも人の縁って本当、不思議ですよね。ブログから坂之上洋子さんの出会いがあって、世の中に最新のテクノロジーの携帯サイトで世に広がって、岩波書店が書籍化してくれて、読売テレビが取材に行って朝日新聞が取り上げてくれて、安倍首相の側近の方が「モザンビーク」って検索したら、さやかさんの活動が出てきて・・。

栗山:そうですね。

福田:安倍首相がモザンビークに訪問するときに、じゃあ、会おうじゃないかと。

栗山:「109で働いていたんですか」って聞かれました。
内閣官房参与の谷口 智彦さんがモザンビークでの安倍首相のスピーチに何を書こうか悩んでいたときに、たまたま私のブログを見つけてくださって、怪しい子だったらどうしようと思ったけど、その中に洋子さんとか福田さんとか皆さんのお名前があって、この方たちにサポートされている子だったら大丈夫だろうと判断し、スピーチの原稿書けたって仰ってました。

福田:ブログから始まって一国の首相と合うまでに至った、凄い事です。 この機会に、海外で頑張ってるさやかさんみたいな人を国が支援できる仕組みを考えてもらいたいものです。両国間の絆も深くなりますよね。