教育が一番大事
福田:7年間のモザンビークでの活動を通じて、現地の方々の教育や農業など支援活動してこられ、さやかさんとしては成果というか、そういう豊かさは提供できたと思いますか?
栗山:そうですね、一番提供できたのは教育かな。本当にみんな貧しくて、いろんな情報がないんですね。ラジオもなかったりするので、何でも情報は近所の人からのうわさ話とかで、だから病気のこととか、なかなか本当の情報が入りづらくて。
福田:AIDSでも、「病は気から」とか言っているって。
栗山:そうです、のろいを信じていますよね。北部のモザンビークに関して言えば、本当にみんな信じていて、私が「そんなことないよ」と否定しても、「あなたは肌の色が違うから分かんないだけ」って、のろいから守るために肌を切って、何か黒いものを塗っている。何かやってもらうみたいで、みんな結構傷があるんですよ。あと、昔は家の近くに病院がなかったので、病院に行くっていうアイデアもなかった。昔からある呪術師さんっていうんですかね。
福田:妖術みたいなね。
栗山:そういう方たちの所に行っていたので、それがまだ残っていて、病院に行かずにそっちに行く人も多いですね。
福田:だから、今後どれくらい支援を進めていかなきゃいけないかって、そういうもので医療だとか薬みたいなとこまではいかないんですか。やっぱり今、プレミオ(教育をうけるともらえるプレミアム)で言ったら、お米・・っていうか、トウモロコシとか塩とか。
栗山:今、手に職をつけようということで、畑を開いてみんなで耕し、作物を売っています。他にも、ミシンを習い始めたり、編み物とかもできて、マーケットで売ったりしています。
福田:確か7年間でそのエデュケーションプログラムを受けた人は、村が2000人ぐらいいるっておっしゃいましたっけ?
栗山:いや、その村っていうかもう地区なんですけど。私はそこの州の町にいるんですが、その町の外れの地区のサポートなんですけど。
福田:何ていう地区ですか。
栗山:ナマクラとシュールクトゥ。そこら辺の地区の方たちですね。
福田:何人ぐらい? 感覚値だと、2000人ぐらい居る?
栗山:どれぐらいでしょうね。子どもたちが多いので、ちょっと分からないですけど。
福田:でも、ずっと見ていて、この7年間変化は起きている?
栗山:はい、起きていると思います、特に子どもたちが。
福田:それはすごいね。本当に1人で成し遂げたんだもんね。その達成感、すごくないですか。
栗山:でも、サポートがなかったら本当にできなかったことなので。
福田:現地の人も、さやかさんのこと天使と思いますよね。この人が村に来たら急に世界が変わったみたいな。
栗山:何だろう。さやかが来てくれたのは、うちらがあまりにも亡くなっちゃったり、苦しんだりしているから、多分、神様が送ってくれたんじゃないかな、とはよく言われます。
福田:うれしいですね。
栗山:はい。子どもたちもすごい頭が良くなっていて、それはうれしいですね。