そして「アウトソーシングライフ」は続く
福田:これから成瀬さんは、今のON THE TRIPの活動をしつつ、さらにビジネスを展開されていくんですよね。
成瀬:僕たちは、「プロセスを大事にしたい」と思っています。数字主義も大切とは思うんですけど、禅的な考え方でいうと、まず目の前のことをこなしていきながら積み上げていくことが非常に大事だなと考えていて。今の暮らしの追求が一つの仕事のやり方にもなっているので、それを積み上げていく感じですね。
ビジネスの話でいうと、日本各地の文化財はもう主要所はほぼ提携が決まってきていて。2020年ぐらいまでには日本の文化財をリリースして、その後に海外展開を考えています。
福田:素晴らしい。
成瀬:海外でバンを置ける場所も幾つか出来つつあるので。
福田:バン生活ですけど、普段トイレとかお風呂とかはどうしているんですか。
成瀬:トイレとお風呂は、基本的に全部、外注。外注というか外です。お風呂は、極上の温泉とか銭湯、日本各地知っているので(笑)。
福田:むしろ、都会に暮らす人より贅沢。
成瀬:贅沢です(笑)。ここ4年ぐらい、ずっと銭湯とか温泉です。家にお風呂ありますけど。コンビニまで水とか買いに行くんで、そこでトイレをお借りしたり。あとは、バンを駐車する場所によるんですけど、近くの公共トイレとか。洗濯はコインランドリーですが、冷蔵庫がないので最初は置こうと思ったんですけど、実際は要らないんですよ。
福田:『はじめ人間ギャートルズ』の世界を考えたら、要らないですね。都会にいるとプリザーブしようと思うけど、その日に消費しちゃえば要らないですね。
成瀬:冷たいビールが飲みたい時は、コンビニに行って買ってくるのが一番いいですよ。飲みたいときに飲めるから。つまりコンビニが僕らにとって冷蔵庫なんです(笑)。
福田:「冷蔵庫、いっぱい持ってるよ」って話ですね(笑)。トイレもあって、温泉、お風呂もあって。病気になったら、病院に行けばいいし。
成瀬:そうですね。でも、生活が健康的なので、この1年病気にもなってないです。
福田:温泉にずっと入っているから、毎日、湯治ですね(笑)。シェアハウスどころじゃなくて、もう地球がシェアハウス。やめられないですね、もう。
成瀬:例えば富士吉田に行くと、湧き水がめちゃくちゃあるんです。そこに1カ月半くらい滞在すると、富士の湧き水は飲み放題で、それでご飯を炊いたりすると美味しかったり。町全体がホテルというとあれですけど、町全体が一つのホームのような感覚になってきて。あと、行きつけのお店があるわけですよね。そこをはしごして、お風呂入って帰るっていう。
そういう暮らし方も面白いなと思って、僕らは「アウトソーシングライフ」って呼んでるですけど。
福田:アウトソーシングライフ、きました(笑)。
成瀬:しかも「最高のアウトソーシング先で」って考えると、暮らしが豊かになっていくなと、今は思っています。