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外国人が理解に苦しむ 「本音と建前」「忖度」「過労死」

学んだのは「逆境パッション」!難民とつくるカラフルなセカイ Talked.jp

渡部:海外でも多くのビジネスをされている福田さんに質問なんですけども。日本のセールスの仕方、やり方は、海外とはやっぱり全然違いますか。

福田:そうですね。違いますね。とくに「本当のことを言わずに人間関係を作る」っていうのは日本特有かもしれません。アメリカの友達に日本の企業を紹介するんですけど、「今日のプレゼンテーション、むっちゃうまくいったよ」って言うから、「待って。多分明日のメール辺りでガッカリくるよ」って言ったら、大体その通りになる。
どういうことかというと、会って話を聞いたときは、「それは素晴らしい!」ってなるのに、翌日は「昨日はご苦労さまでした。この件はなかったことに」って。だから、どうして日本人は会っているときに言わないのかってよく聞かれますね。だから「いや、会っているときに本当のこと言うわけないじゃん。これが日本なんだよ」と。アメリカ人や、アメリカ人とよく似ている中国人は、「それには関心ありません。はい終わりです」ってキッパリしてますよね。でも素直でいいと思う。打ち合わせ時間も、そのほうが超短くて済むし。
だから、海外の人が日本の、特に大企業にセールスしようと思ったら、その会社が贔屓にしている日本人を介してプレゼンするといいと思います。”この島以外の人=リスク”ってDNAがあると思う。

渡部:今のお話を聞いて、思い出しました。難民の人たちが日本に来ると、「本音と建前」っていう単語をどこかで覚えるんですよ。私と話しているときも、「ちょっと待って。それ本音? 建前?」って。とくに、日本人がニコニコ話しているときこそ、怖いみたいです。

福田:「本音だよ」っていうのも、もしかすると嘘かもしれないっていう、重層的なものがあるからね。日本は。外国人の人に、「忖度」っていう意味を説明するのも難しいってよく話題にするんですけどね。

渡部:たしかに、それは難しいですね。

福田:でもがんばって、英語で説明するんですよ。「忖度は、誰かが思うかもしれないことを、先んじてやってしまうこと」っていう美しい説明を思い付いたから説明したら、「ちょっと待って淳。最初に思ったやつは、それを行動にうつしたのか」って聞かれて。「いや、うつしてはいない」「じゃあ、そいつは何かを言ったのか」「いや、言ってない」……って、やっぱり伝わらなくて(笑) 
あと難しかったのが「過労死」。「上司が帰らないと、部下は帰れないんだ」って説明したら、「どういうこと? 鎖でつながれているの?」って、忖度と過労死の説明は本当に難しかったんですけど、本音と建前もまた、難しいですね。

渡部:なので難民の人たちが就労できない8ヶ月の間は、トラディショナル・ジャパニーズを知る期間にしてもいいかなと思うんですね。日本人とコミュニケーションを取るときに、「何でこんなズレちゃうんだろう」とか、「この人何考えているんだろう」ということが分かるように。どうせ8カ月就労許可がないのであれば、その間とことん友達を作って、とことんコミュニケーション取って、何回かこじれてみて仲良くなって……を繰り返したほうが、お互い生きる関係性になるだろうなと思って。

福田:そうですよね。

渡部:「失われた8カ月」じゃないですけど、難民の方々と実際に関わっていると、その期間があることで政府を責めたくなるときもあるんですけど、いきなりは変わらないので。だとしたら、むちゃくちゃ充実した8カ月にしたら、「I’m Ready!」で仕事に行けるようになるんですよね。

福田:本当にそうですよね。素晴らしい。

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