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チェンジメーカーを作りたい

学んだのは「逆境パッション」!難民とつくるカラフルなセカイ Talked.jp

福田:WELgeeの使命をまとめると、難民の人が、就労許可が出る8ヶ月まではシェルターや情報を提供する。そしてポテンシャルの高い難民の人たちが、日本で暮らしていけるようにスキルを生かす場を提供する。

渡部:そうですね。それが「未来への切符」的なものなんです。前述の川口加奈さんがいつも言う「何度でもやり直せる社会」というテーマに、私たちもとても共感しているんです。私たちも、難民の人にとって、第2の人生に希望を抱ける社会を作りたい。例えば、日本に生まれてニューヨークで絵を勉強したい人は、自由に行くことができますよね。同じように、シリアに生まれて、空爆の中で「もう無理だ」と思った人がカナダに行ったっていいんですよね。第2の人生を選んだとき、そこでちゃんと自分のスキルを取っかかりにして未来を開いていける社会というか。だから、日本企業で就職して、日本で暮らすことが目標ではなくて、いずれ平和になった祖国に帰ることが出来た時は、ネクストリーダーとして、いろいろなチェンジメーカーを作る。それが、私たちWELgeeの、その先にあるステップだと思っています。

福田:そのためにも、今の収支の中の自主企画をもっと厚く、多くしていこうと。たしかにそれが一番、ダイナミックに自分たちのアイデアと力と行動力でできることですもんね。

渡部:そうですね。

福田:で、今のところは計画通りに運んでいると。

渡部:今年初めて、われわれの事業の注力点を「就労に置こう」と決めました。設立当初は何が課題で、何が仮説かも分からなかったので、ひたすら人とつながって、難民の人を発掘しに夜中に東京の街をパトロールしたり……。企業、NPO、支援系の人も弁護士さんも、チャンスがあったらいろんな人に話を聞きに行っていましたね。

福田:パトロールって、何ですか。

渡部:終電が終わった後の駅を1人でうろつくのを、「難民パトロール」と称してやっていました。

福田:それで見つけて声をかけるんですか?

渡部:声を掛けます。けど、もう寝る体制になってるじゃないですか。ダンボールを使って温かくしているところに、「ハロー」って声をかけて。そうしたらびっくりして起きて、「どうしたんだ君、終電逃したのか」みたいな、逆に心配されたりしました(笑)

福田:あっちのほうが慣れてる(笑)

渡部:「ごはんは食べたのか」とか言われて、「インターネットカフェっていうのがあるらしいぞ」とか教えてもらって。でもそれは、あまりにも効率が悪くて途中でやめました。お笑いみたいなパトロールになっちゃった。

福田:でも、今日話して思いましたけど、渡部さんは生き生きしてますよね。お笑いパトロールも含めて、今の活動全てが楽しいんだと思う。

渡部:そうですね。課題は突き詰めていくと重くて苦しかったりするんです。「おととい実の弟が殺された」みたいな相談が夜中にあったり。彼らも分かっているんですよ。この課題がいかに暗くて先がないか。なので私たちメンバーが暗くなり続けていくと、もうお葬式みたいになっちゃうので。それをどう風穴を開けようかって考え続けているのは、私というよりも、彼らの逆境パッションに影響されているところが大きいと思います。

福田:今日は、知らないことをたくさん勉強させてもらいました。僕で力になれることがあれば、またぜひお話聞かせてください。

渡部:こちらこそ、ぜひお願いします。今日はありがとうございました。

福田:ありがとうございました。

(了)

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