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新しいテクノロジーこそが、 想像力のスイッチを入れる

ブロックチェーン×アートで新時代のイノベーションを起こす Talked.jp

施井:先ほどの、「仕組みを作ったら、それに最適化された作品が出てくる」っていうお話があったと思うんですけども。そういう意味で実感するのは、僕が2006年にアーティストに還元金がいく仕組みを発表したときは、全然話題にならなかったけど、ブロックチェーンが話題になってくるとともに、初めていろんなところで話題になるテーマがありまして。「作品が何年残るか」とか、「何年後に所有者はどうなる」みたいな議論って、今までほとんどなかったんですよ。ブロックチェーンの特集でも数十年、数百年先の未来社会のアートの話が出てきたり、「10年でなくなるテクノロジーかもしれない」にも関わらず、ひとつの作品に長期間の時間を見るような喚起力が生まれていて、面白いなと思うんですけど。

福田:新しい技術や法制度が、人の想像力のスイッチも入れるんでしょうね。 ものすごい悪い例かもしれませんが、大麻ってそうですよね。

施井:大麻ですか?

福田:あんなにイメージが悪いのに、ロサンゼルスで解禁になっちゃったから、「オレ、大麻ビジネスのスタードアップやってるんだよね」って言うと、ものすごくモテて投資が集まるらしいです。でも日本って、そういうバズワードがないじゃないですか。せいぜいAIぐらいですよね。

施井: アメリカの投資家のピーター・ティールもそれで1兆円ぐらい儲けたという。

福田:ロスだとアップルストアみたいな大麻のチョコレート屋さんが大繁盛したりしています。だから、「10年ぐらいでなくなるかもしれないもの」ではないんでしょうね。今までなかった考え方を持ち込んだときに初めて、ライフタイムバリューを考えるようになったというか。働き方改革っていう言葉ができて初めて、寿命の議論がなされるようになったみたいな感じです。

施井:それ、近いかもしれないですね。それこそさっきのマンガ『ギャラリーフェイク』で、似たような内容がありました。仏像を持っていた金持ちがいて、それ壊してしまったコレクターが「自分のものだからいいだろう」といったとき、登場人物が「ふざけるな」と。長い歴史の中で、お前はその仏像を10年か20年、というようなセリフを言うんです。つまり作品というのは、作者が死んでもずっと残るという意味では、人間が作る公共財ですよね。ここはブロックチェーンでクローズアップされると、すごく面白いなと思います。

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