知ったことは人に教えたくなる
福田:自分の中にある「身体性の欠如」みたいなものに気づくこと。インターネット時代はとくに、それって大事だなと思うんですよね。新卒でコンサルタントの会社に入られたということですが、そういう自分の身体性の大切さに気づかれたポイントってあったんでしょうか?
三谷:私がいろいろなことに気づいたのは社会人になってからですけども、やっぱり人に教え初めてからだと思います。小学生くらいの頃から人に何かを教えることが好きでしたけどね。
福田:K.I.T.(金沢工業大学)虎ノ門大学院の三谷さんの講座を拝聴して、お話がとてもわかりやすかったのが印象深かったんですが、そんな小さい頃から教えることがお好きだったんですね!?
三谷:好きでしたね(笑) まずはものすごく本を読むのが好きな子どもでした。小学1年生の一学期に40日間入院をして、その間に先生が本を差し入れてくださって、入院中だけで100冊くらい読みました。で、自分が知ったことを、人に教えたかったんでしょうね。
福田:それ、わかります。
三谷:たとえば宇宙の本を読んで知識を得ると、それを誰かに教えたいから、とりあえず母親に話すんです。母親は家業で忙しいんですが、彼女が素晴らしかったのは、宇宙なんて興味もないのにとりあえず聞いてくれて、「また教えてね」って言ってくれたんです。
福田:素晴らしいお母様ですね。
三谷:小中学生のときは、勉強が遅れ気味の子に教えたりも。質問されるから教えるだけなんですが、相手が「何を」「どこから」「なぜ」わかっていないのかを理解しないと教えられないので、「人がわからないというのは、どういうことなのか」みたいなことも結構考えていました。ただ知っているだけではダメで、そのメカニズムから全部わかってないと人には教えられないということも、よくわかりました。
福田:教えることを通じて、理解することや教えることのフレームを考えちゃったんですね。 それは天才(笑) だから、教えることも好きになられた。